不動産基礎知識:要除却マンションに認定されたら(15.06.19)

都心に次々と出現する高層マンション。何十年後に老朽化したら、大規模修繕するにも、売却するにも、建て替えするにしても、一体どうするんだろうか、さっぱり見えてこない。

高層マンションにならずとも、昭和期からマンションが次々と建築され、役割を終えつつある建物が増えてきている。

今までは、マンションを建築することばかりに気を取られ、その後のことはなにも知らないと、原発政策と同様、その場のしのぎの政策だったが、中古住宅の促進と併せ、老朽対策にも取り組みが始まった。

平成25年末時点でマンションストックは約600万戸、そのうち旧耐震基準(昭和56年以前)で建築されたマンションは100万戸を超えており、その多くは耐震性が不足していると見込まれている。

従来からのマンション法(建物の区分所有等に関する法律)では、建て替えの基本的なことは定めているものの実務的な部分が抜けており、これを補うためにマンション建替法(マンションの建替えの円滑化等に関する法律)が制定された。

その後、建替えのみの選択から、マンションの除却・敷地の売却等も考えられるようになったため、「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」と改められた。※等の位置が変わった。

「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」の概略

1. 耐震診断が行われたマンションの管理者等は特定行政庁に対し、当該マンションを除却する必要がある旨を申請でき、特定行政庁はその旨を認定できる。

2. 認定を受けたマンション(要除却マンション)の区分所有者は、そのマンションを除却しなければならない。

3. 都道府県知事等は、要除却マンションの区分所有者に対し、除却の指導、助言、指示ができ、その指示に従わない区分所有者を公表することができる。

4. 要除却マンションの建替えにおいて、一定の要件に該当する場合、容積率が緩和されることがある。

5. 要除却マンションでは、区分所有者集会において、一定の割合の多数でマンションと敷地の売却する旨の決議ができる。※マンション敷地売却決議、買受人は事前に認定を受ける必要があり、敷地売却組合が結成され売却後に分配される。

--以上。

法律の文面に、除却が必要と認定、指示に従わないと公表する、など、強行的な表現が入っています。

同法の趣旨に「マンションの倒壊等による被害から“国民”を守る」ということがあり、区分所有者のみならず、マンションとは関係ない国民を守ることまで含めたことにより、危険性があれば権利よりも安全を優先するという色が強く出ております。

マンションを建替えするにも売却するにも、区分所有者の中で利害や意向が対立することがあり、全員のことを考えていると社会全体に悪影響があるから、多少強行でもやむを得ないということです。

社会の全体最適、区分所有者の権利や資産を守ることを考えた場合、このくらいの強行さは必要であり、この方針は良いと思います。※過半数ではなく4/5以上などですので。



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