不動産基礎知識:建築物の高さ制限(高度地区、日影規制)(14.04.13)

不動産取引に関連する規定は、全国共通、都道府県単位、市区町村単位、独自の地域毎と、さまざまに絡み合っており、不慣れな地域の取引をする際にはプロでも注意が必要です。

例)全国:建築基準法・都市計画法など、都道府県:県条例など、市区町村:条例・運用規定など、独自の地域:地区計画・建築協定など

柏市に事務所が所在する不動産会社では、取引のほとんどが千葉県内であり県外の取引は稀ですが、県外のときは、役所調査の赴く先の所在地(役所がどこにあるか、調べ方)から、規定の内容まで初心者のように行います。

今回、縁があって東京都練馬区の取引を手伝うこととなりました。以前から認識していましたが、同じ言葉の”第一種高度地区”で規定される内容が、千葉県と東京都では異なります。

第一種高度地区(千葉県):北側境界線から垂直に5m立ち上がった点より南側へ水平4mまでは1対1.25の斜線、同4mより先は0.6対1の斜線を建築物の高さが越えてはいけない。

第一種高度地区(東京都):北側境界線から垂直に5m立ち上がった点より南側へ0.6対1の斜線を建築物の高さが越えてはいけない。

※上記の比較では東京都のほうが建築への制限が厳しい。

※高度地区(都市計画法)とは、住居地域などで良好な住環境を維持するために建築物の高さに関して規定を定めた地区を言います。斜線制限型と高度指定型(複合型)があります。

このことを知らないと(特にプロが陥りやすい)、資料や窓口で「第一種高度地区」と見聞きした際、規定について慣れ親しんだ地域の内容で把握してしまい、間違った内容で認識してしまうことがあります。

高さに関する制限で、地域(用途)で異なるものに”日影規制”があります。※私は「にちえいきせい」と呼びますが、「ひかげきせい」という呼び名もあり、どちらが正しいのか、私は存じ上げません。

2階建ての低層住宅を建築する場合、ほとんどが対象外となるため、規定の存在は認識していても意識することは小さくなることは否めません。

※日影規制(建築基準法)とは、測定ラインを設定してそのラインを越えて一定以上の日影を生じさせないように建築物の形態を制限し、日照権を確保するもの。

高度地区の規制が建物の敷地内(建築物そのもの)を対象するのに対し、日影規制では敷地の外部、影が落ちる地点で判断され、規制内容も敷地が属する地点の規制内容ではなく、影が落ちる地点の規制内容となります。

例えば、敷地が商業地域(工業地域)に属し日影規制の対象外であったとしても、建築物による日影が日影規制の対象地域(第一種低層住居専用地域など)に落ちる場合、日影規制の対象になるということです。

不動産業者(宅地建物取引業者)は、不動産”取引”という文系分野のプロであり、設計分野という理系分野には苦手意識を持つ人も少なくありません。(私も含め)

より細心の注意を払い取引に携わるようにしておりますが、特に土地の購入時には、その敷地の規制内容で予定する建築に支障がないかどうか、設計的な確認も必要となります。(戸建ての場合は確認通知書で適合性の確認)

私も含め、不動産取引時に宅地建物取引主任者が「こういう規定があります」とは説明しますが、その規定内容と予定(希望)される建築内容との関連性まではフォローしません。(義務もありませんが、それ以上に、依頼されない限り携われないため)

そこまでも含めてフォローして(責任もって)という場合、土地と建物のトータルでご依頼されることをお勧めします。



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