不動産基礎知識:持分がない位置指定道路(13.08.17)

建築基準法では、道路の定義を定めており、幅員4m以上、かつ、第42条第1項の各号に該当することとしております。

その各号のうちの一つとして位置指定道路があります。建築基準法第42条第1項5号の条文に次のように記載されております。

(建築基準法第42条第1項5号)「土地を建築物の敷地として利用するため、道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの」

位置指定を受けた道路は、建築基準法第45条で廃止変更の制限をされており、建築基準法の接道義務(道路幅員4m以上、建築基準法上の道路、間口2m以上)が満たされなくなる場合、特定行政庁は、その私道の変更又は廃止を禁止し、又は制限することができるとしています。

このため、道路所有者もちろん道路に接する敷地を所有・利用している人の全員より同意が得られないと、道路を廃止することはできません。※所有がなくとも接している敷地を所有していれば道路廃止を拒否できる権利を持ちます。

位置指定道路の持分を所有していなくとも、敷地が道路に接していることそのものが確かであれば、建築基準法の接道義務は満たされます。

現実的な利用に関して、私道の所有持分がなくとも、日常生活に不可欠な通行は認められます。

(最高裁平成9年12月18日判例)「建築基準法42条1項5号の規定による位置指定を受け現実に開設されている道路を通行することについて日常生活上不可欠の利益を有する者は、右道路の通行をその敷地の所有者によって妨害され、又は妨害されるおそれがあるときは、敷地所有者が右通行を受忍することによって通行者の通行利益を上回る著しい損害を被るなどの特段の事情のない限り、敷地所有者に対して右妨害行為の排除及び将来の妨害行為の禁止を求める権利(人格権的権利)を有する。 」

この判例では、歩行はもちろん、自動車の通行も、それによって所有者が相応以上の被害を被らない限り、許されるべきというものです。

ただし、その私道に接する敷地で生活をし、そこを通らないければならないような場合としていますから、関係ない他人が公道のように利用できるとはしていません。

不動産や住宅の営業の人が、公道と同じですから、というような説明があったら、それは行き過ぎとも言えます。

土地・住宅を購入する際、現所有者の方により長年通行利用をしてきた実績もあり、位置指定道路の利用が生活に不可欠なものであれば利用できると考えられます。

なお、私道の持分を持っていなくとも利用する権利を持つことになりますので、維持管理の際、持分所持と同じように協力を求められることもございます。※通行料のような類ではなく、清掃や補修などの維持費用などです。

取引においては、今後のトラブル防止のためにも、接する私道部分の所有者より、通行、掘削、利用の同意書の取り付けを、売主の負担と責任で行ってもらい、その点を売買契約書の特約に記載し、契約条件とすることをお勧めします。

同意書を取り付けることにより、トラブルとなりそうな背景があるのかを確認でき、また、今後の利用の際、書面により同意したという記録を残されます。



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