不動産基礎知識:売買契約の成立と内容(13.08.16)

民法では、売主と買主の意思が合致すれば契約が成立するとなっているが、不動産の売買においては、高額であること、内容が多岐にわたることなどから、売主と買主の条件が合意に至り、契約書の取り交わし(署名押印)ことにより契約が成立するとされている。

大阪高裁の判例では、買付証明と売渡証明のやり取りが取りかわしがされ、条件面での合意が得られていたとしても、契約書の取り交わしがなければ適法有効に契約したとは言えない、としています。

その理由として、買付証明は、将来この条件であれば買うという希望があるまでとしており、売渡証明も同様であると。契約の”予約”という意味合いと考えるべきで、契約成立そのものとまでは言えないというもの。

ただし、予約だからと言って、買付証明を乱発するのは道義的に反し、あまりにもひどいと、公序良俗違反、業務妨害などにも取られかねません。

予約をしたがやむを得ない事情ができてしまい、という際に、キャンセルができるという理解に留めておいた方がよろしいかと。

また、宅地建物取引業法では、宅地建物取引業者は契約が成立した際に所定事項記載の契約書発行(業者および主任者の記名押印)を義務付けており、実務的にも契約書の取り交わしが行われることになる。

この売買契約書には、売ります、買います、という意思表示の他、金額、引渡し内容、解約の際の取り決めなどが記載される。

ほとんどの不動産業者は、どこかしらの協会、所属団体のフォーマットと利用しており、基本的な約束事は予め印字された約款に記載されている。

その基本的な部分は、法律家が監修し、さまざまな事例などから進化し、売主買主それぞれが一方的に不利にならないよう、公平に策定されている。

契約書の中でポイントになるのは、特約と呼ばれる当事者間のみ、当該契約のみで特別に定めた内容である。

特約にはさまざまなものがあるが、民法では公序良俗に反しない限り、特約内容をどのように定め合意しても有効であるとし、後から申し出ても当事者両方が合意しない限り、そのまま効力が発生します。

特約内容の主な内容は、建物の解体や補修、現状の状態確認、引渡し条件などとなるが、難しくなるのは第三者が関与してくるケースである。

第三者にとっては、当該契約がどうなろうが気にすることなく、自身の都合や意見が優先される。

第三者にとって不利益にならない内容であれば、よほど偏屈ではない限り、ある程度の対応はできるだろうが、もし、特約事項をクリアすることができなかった場合はどのような処置をするかまで考えておく必要がある。

売買契約時に、急に特約の内容を追加や修正する旨を意思表示しても、実務的、心証的に対応できないケースも多い。

購入の申し出をする際から、内容を吟味し、詳細まで打ち合わせをしておく必要がある。ただ、現実的には、不動産業界の慣習と携わる人の意識、流通の仕組みとその報酬などが足かせとなっており、理想通りにはなっていない。



住宅購入サポート

サブコンテンツ

このページの先頭へ