不動産基礎知識:成年後見制度を利用した居住用不動産の売却(13.08.07)

少子高齢化社会となって右往左往している社会保障制度。「社会保障制度改革国民会議」は、年金や医療など社会保障分野の今後のあり方に関する改革を盛り込んだ報告書を正式決定しました。

内容(要約)は、高齢者の医療費窓口負担の変更(1割→2割、※同日よりも前に70歳になった患者は1割負担維持)。健康保険の保険料見直し(多くのサラリーマンの保険料上昇、低所得者の国民傾向保険料は軽減)。介護の一部を自治体へ移行、自己負担額の見直し。年金収入への課税と支給額の基準見直し。少子化対策としての保育面の拡充。など。

数年前、年金100年安心プラン、という言葉もあったが、10年も持たずいつのまにかうやむやになったように、この改革によって改善されるのか、安心できるのか、まったく見えない。また、近いうちに改革という名の見直しがあるやもしれない。

不動産取引の分野でも高齢化社会の影響が大きくなってきている。

不動産の売却理由で多くなっているのが「相続」関係。父も母もなくなり、子供が利用しない自宅などの不動産を売却するケースが増加している。また、相続人がいない場合は、裁判所から選任された管財人(弁護士や司法書士)が処分にあたることもある。

相続は亡くなった後のことだが、高齢化社会が進み、認知症などにより判断能力が欠けている(適切な判断ができず被害にあう可能性など)など生存中の場合は、成年後見制度を利用して推定相続人が売却することがある。

成年後見制度とは、判断能力が欠けているのが通常の状態にある方を保護・支援するために設けられたもので、不動産や預貯金などの財産管理,介護などのサービスや施設への入所に関する契約締結,遺産分割協議などの必要があった際に、裁判所から選任された成年後見人が、本人の利益を考えながら,本人を代理して契約などの法律行為をすることができます。

成年後見人には,本人の親族や、法律・福祉の専門家、公益法人が選ばれる場合があります。

成年後見人が選任されると、その内容(成年被後見人,成年後見人の住所・氏名,権限の範囲など)が法務局に登記されます。登記事項証明書の申請は、不動産の場合と違い、誰でも申請できるものではなく、権限を有する者からの請求が必要です。

成年被後見人の居住用不動産を売却する際には、家庭裁判所の許可が必要となります。もし、許可を得ないまま売却してもその契約は無効となります。居住用以外は家庭裁判所への事前報告となります。

居住用不動産とは、現に生活している自宅、以前に自宅として住んでいた不動産、将来居住用として利用する予定だった不動産などが該当します。※確実なのは家庭裁判所への事前確認。

成年後見制度を利用した居住用不動産の売却の流れは、1.購入者が決まってから、売買契約書案と購入者の住民票を添えて「居住用不動産処分許可申立」を家庭裁判所へ申請、2.家庭裁判所により申立許容の審判(許可)を受けて、売買契約の締結となります。

このような流れとなること、家庭裁判所の許可がおりなかった場合、白紙解約となる旨(手付金などの返還)を特約に定めておく必要がございます。



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