不動産基礎知識:事故物件(告知事項あり)(12.06.09)

任意売却物件と並び、最近、目につくことが多くなった”事故物件”。不動産取引で言われる事故物件とは、過去に心理的な瑕疵があった物件のことを指す業界内用語である。

このような事故物件は、物件の概要資料(販売図面)に「告知事項あり」と記載されている。

売り主側のプライバシーにかかわることであり、近隣の方は不動産資料を見ただけで、地域にゆかりのない方でも調べれば、所有者・関係者もわかってしまうことから、初期段階では、告知事項があるという予告のみで、内容は記載されない。

不動産業者間でも、むやみやたらと情報が出回るものではなく、具体的な検討に入る(検討段階はケースバイケース)ことによって、初めて内容は知らされることが多い。

これは、不動産取引上で知りえたプライバシーにかかわることは、必要ないのにもかかわらず、むやみに情報を公開してはならないという守秘義務の精神に基づくもの。

例えば、不動産を探している人に対しても、全く関係ない物件の告知事項内容を伝えることはできない。お客様も不必要に興味本位では尋ねないで欲しい、返答に窮してしまうので。

逆に、その物件を検討対象に入りそうな場合、紹介する段階から、内容をお伝えすることもある。これは、心理的な瑕疵の内容によっては、検討外になることもあり、売り主、買い主、業者ともども、余計な手間や時間を消費するのは、ご迷惑をかけることになるからである。

告知事項(心理的な瑕疵)の内容で一番多いのが、自殺事件に関するもの。事件性では、犯罪に巻き込まれたというのもあり得るが、これは滅多に遭遇しない。

近隣に反社会的勢力の拠点があるも、告知事項ありと記載されるが、事故物件ではない(物件そのものでなにかあったわけではないので)。

嫌悪施設も同様であるが、明らかに存在がわかるので、告知事項でもなく、初めから表記される。宗教的な施設は、人により判断が分かれるので、表記もされない。

この他には、火事があった(人的被害の有無と程度により異なる)ケースも該当する。病死は該当しないとされる。マンションの共用部分や取引対象ではない部屋の場合は難しく、また、告知事項内容が、何代か前であったり、相当な時間を経過した場合も難しくなる。

物理的な瑕疵とは違い、客観性よりも主観性に基づくため、どこまで告知するか、不動産の担当者でも悩む。告知する内容(程度)には、明確な決まりがなく、お客様の判断に影響を及ぼす可能性がある場合には知らせるべきという曖昧なものである。

私の場合、知りえた情報は、脚色も考えも加えず、早い段階でそのままお伝えし、お客様に判断を任せるようにしているが、売り主側が秘匿してしまうと、なかなか表に出てこないこともある。

また、担当者によっては、成約から遠ざかることを恐れ、この程度なら、黙っていよう、ぎりぎりのタイミングで伝え、押し切っちゃおうという輩が出るのも、曖昧な基準のためである。

購入者側の防衛手段としては、事故物件情報を集めたサイトで確認する、同じ物件情報が他の不動産会社から出ていないかチェックし、備考などの細かい部分を見てみる、さらに、情報を告知するスタンスの会社や担当者に依頼する、などがある。



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