不動産基礎知識:任意売却(12.02.05)

不動産業者間でまわる不動産情報を眺めていると「任意売却」という文字を見かけることが多くなりました。一般的に売り出されている不動産は、所有者の任意で売却するため、すべて任意売却ですが、特に記載がある場合は、債務整理(借金)のために売らざる負えない場合のことを指します。

債務整理での売却となると、裁判所を通じた「競売(けいばい)」が一般的に知られております。競売が債権者側(金融機関)からの申し出による強制的な売却、債務返済となるのに対し、所有者自らの意思で売却するケースを任意売却と呼び、競売や通常の売却と区別しています。

住宅ローンの滞納や借入金が返済不能になった場合、通常、融資している金融機関は抵当権に入っている不動産を差押え、競売で処分して、売却代金を債務返済に充てます。競売の場合、売却価格が実勢価格を大幅に下回ることから、債務者にとっては、多くの債務が残り、金融機関としても、回収額が少なくなる。

少しでも高く売却できることは、債務者・債権者のどちらとしてもメリットがあり、競売になる前に、任意売却を利用するケースが増えてきている。※競売の場合、時間や経費がかかることも、任意売却に拍車をかけている。

通常の売却手段を使う任意売却の場合、金銭的なメリット以外にも、世間的には一般の売却と区別できないことから、所有者の精神的負担を軽減したり、住み替えがスムーズに進むことも多い。

いいことづくめのような任意売却だが、競売に進んでしまうケースも多い。ケースとしては、複数の債権者がおり、任意売却の同意が取れないとき※や、債務者(所有者)自身が非協力的だったりするなど。※債権者全員の同意が必要。

任意売却で売り出されている不動産を購入する側としては、購入後の瑕疵担保責任がないため(瑕疵担保責任をつけても資金力がなくて対応できず)、購入後の費用や手間も取引価格に考慮すること、取引中の金銭のやり取りに注意することが必要です。

任意売却の場合、不動産そのものではなく所有者に問題があるのみですから、きちんとした取引をすれば問題なく、さらに競売価格とまではいかずとも、実勢価格よりは少し安いケースも多いことから、いい買い物になることもあります。

売却する側、購入する側ともに、一番大事なのは、取引を依頼する不動産業者の選定です。選定が悪いと、債権者と結託して安い売却となってしまったり、余計な費用負担が生じたりすることに繋がります。

債務者側には、いろいろな諸事情もあり、致し方ないことも多いと思います。これから購入する人は、なにかの事情があったときに、吸収できる余裕を持っておくことが肝要です。



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