不動産基礎知識:境界確認と越境(10.02.15)

土地(一戸建て)の不動産取引をするにあたり、最大(唯一と言っても過言ではない)のポイントは境界です。新規に造成された現場であれば問題になることは少ないですが、既存の宅地の場合、大なり小なり何かしらのことがあります。

境界は民法で次のように定められています。

(境界標の設置)
第二百二十三条  土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる。

(境界標の設置及び保存の費用)
第二百二十四条  境界標の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する。ただし、測量の費用は、その土地の広狭に応じて分担する。
この境界標は、共同設置になります。当該地の所有者が単独ではできないことから、境界に争いがあれば設置することができず、境界標が設置されるということは争いがないと一般的には判断できます。ただし、古くからある境界標では、境界標だけをもって無条件に境界を主張できるものではなく、最終的には境界確定の裁判が必要です。境界標は、その際の判断材料のひとつに過ぎません。

境界に関係するものとして、ブロックやフェンス、竹垣などで作られる塀などの構築物(囲障)と越境がございます。

構築物(囲障)は民法で次のように定められています。

(囲障の設置)
第二百二十五条  二棟の建物がその所有者を異にし、かつ、その間に空地があるときは、各所有者は、他の所有者と共同の費用で、その境界に囲障を設けることができる。
2  当事者間に協議が調わないときは、前項の囲障は、板塀又は竹垣その他これらに類する材料のものであって、かつ、高さ二メートルのものでなければならない。

(囲障の設置及び保存の費用)
第二百二十六条  前条の囲障の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する。

(相隣者の一人による囲障の設置)
第二百二十七条  相隣者の一人は、第二百二十五条第二項に規定する材料より良好なものを用い、又は同項に規定する高さを増して囲障を設けることができる。ただし、これによって生ずる費用の増加額を負担しなければならない。

(囲障の設置等に関する慣習)
第二百二十八条  前三条の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。

(境界標等の共有の推定)
第二百二十九条  境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定する。
この条文をそのままに考えれば、隣接地所有者へ塀の構築を共同負担で行うように請求できることになり、相手は受け入れなければならないとなります。ただ、相手方が応じない(悪意はなくても)場合、現実的には、裁判をしてまで隣の方へ請求するということは珍しく、自分の敷地内へ自らの費用で構築することが多いと思われます。(近隣への人間関係を考慮して)

越境物は民法で次のように定められています。

(竹木の枝の切除及び根の切取り)
第二百三十三条  隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。
2  隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。
越境物で一番多いのは、樹木の枝や葉です。相手方は悪意や故意に越境させているものではなく、樹木の成長に伴い越境状態になったケースがほとんどです。民法の規定では「その枝を切除させることができる」となっており、相手方に切除を請求するまでに留まり、越境しているからと無断で勝手に切除することはできません。相手が切除しない場合は、裁判で強制することになります。(根は勝手に切除してもいい)

民法では樹木の規定しかございませんが(古い)、越境物にはこの他にも塀や構築物(に付随する設備)があります。この場合、撤去の依頼をし、そのまますんなりと撤去されればいいのですが、建物の使用などや状況から直ぐに撤去できない場合もございます。その場合、越境物の存在の確認をし、後日、越境物に関わる工事などがあった際に、越境を解消するように覚書を取り交わすこととなります。

自己の所有地内は、手間と費用が掛かるかもしれませんが、自己の力で解決することができます。しかし、境界に関わることは、自分だけではどうしようも対処できないことがあるため、取引をする際には、しっかり確認することが大切になります。



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