不動産基礎知識:譲渡担保(08.08.29)

抵当権や質権と同じく債権担保の一種。 抵当権は所有権や使用収益権(利用)はそのままにした担保、 質権は所有権はそのままも担保物を預かってしまうため 使用収益(利用)はできない担保になるのに対し、 譲渡担保は所有権を移転するも使用収益はそのままにする形式。

不動産の譲渡担保の場合、所有権を移転し、返済が完了したら返却をする。 もし、返済が完了しない場合、処分して清算するか、完全な所有をする。 この際、債権額<売却額・評価額の場合は差額を清算する。

抵当権と違い、譲渡担保の場合、債権を回収する際、競売などの手続きを 踏むことなく処分できることから手間や時間が掛からないメリットがあります。 また、所有権が移転されていることから、通常の担保形式である抵当権よりも 債務者にプレッシャーが掛かり、返済に対する意識が高まります。 このようなことから、債権者側にとってはより強い担保となります。

譲渡担保が設定されると通常であれば登記の所有権移転手続きが行われます。 不動産を売却する際、登記名義人=売主という図式が必ずしも成り立つ訳ではなく、 譲渡担保が設定されている場合、債権者(登記名義人)と 債務者(実際の所有者)が、それぞれ売主になることが考えられます。

このような状況になると、一般の方は聞きなれないというだけで判断しがちですが、 担保が付いているだけで不動産そのものに欠陥があるわけでもなく、 抵当権などの他の担保の場合と同様に考えればよいだけです。

実質的な所有者である債務者が売主となって売却する場合、 所有権の登記名義を債権者から戻してもらう必要があります。 債権者は債権の回収さえできればよいことから、 売却代金を債務返済に充て、所有権を移転します。 これは抵当権を抹消する際と手続きの形は同じです。

抵当権が付いた不動産の購入する際も、抵当権が抹消され完全なる所有権が 確保できることが確認できなければ、代金の支払いは行わないのと同様に、 所有権の移転が確実でなければ支払いをしないだけのことです。 この手続きは司法書士に確認してもらいます。

※譲渡担保が所有権の仮登記という形の場合でも、この仮登記が抹消されることが条件です。

債権者が売主となる場合はもっと単純で、登記名義人である売主から通常通り、 所有権移転手続きを取るだけのことです。 (債務者は債権者が売却して得た金銭を返済に充てることに同意しているのですから)

譲渡担保で気をつけなければいけないことは、抵当権の場合と同様ですが、 債権者が不動産取引を了解しているのか、手続きに協力的なのかどうかと、 債権額<売却額になっているかどうかです。

抵当権の場合も同様ですが、債権額>売却額の場合、売却金額だけでは債権は消えないため、 担保権(抵当権でも譲渡担保でも)の抹消ができないことも予想されます。 また、債務者には1銭も残らないことから、契約時の手付金の保全をすることが大事です。

ここまでが理屈理論上の手続き的な話でしたが、現実には、 譲渡担保という強力な担保手段を取るのは、債務者がよほど困った状態であるか、 債権者がいわゆる一般的な金融機関よりもちょっと怖めの金融業者であるケースがほとんど。

不動産会社や司法書士などのプロが携われば取引としては問題なく完了できます。 また、債権がらみなので弁護士が出てきていれば大丈夫でしょう。 しかし、一般の方だけで臨むのはリスクが大きく、また、 不動産会社が金融会社と絡んでいないかどうかの見分けも必要です。

また、経験則で、破綻した人や債務超過している人が所有する不動産そのものも、 懐具合と同様に傷んでいるケースが多い。 このため、一般的な相場よりも安く買うべきだと思われる。

やっぱり、一般の方は、直接手を出すよりも、不動産会社が一度下取りして、整理し、 リフレッシュした後に購入した方がよいかもしれません。 (競売物件を直接購入するよりは良いかもしれませんが)



住宅購入サポート

サブコンテンツ

このページの先頭へ