不動産基礎知識:定着物と従物(08.04.07)

不動産の取引をする際、どこまでがその範囲・対象になるのか、素朴ですが重要なポイントです。

民法・第86条 土地及びその定着物は、不動産とする。

土地そのものが不動産であり、その土地を構成している土などが 取引範囲に含まれることは疑いを持たれる方はいないと思います。

では、民法の規定で記載されている“定着物”というのがどこまでを指しているのか。

判例や取引の慣例などから、土地を構成しているそのものではないが、 土地に固定され定着しており、土地と一体となって利用されているものとされています。

一般的な例では、塀、庭石、植栽、石段や踏み石などがあり、 これらの定着物は原則として土地に含まれて取引されます。

また、建物も土地に固定され定着し一体利用と判断されますが、 不動産登記法で土地建物を区別して取り扱っていることや、 民法の規定で土地の抵当権は建物に及ばないという規定があるため、 土地の定着物とはみなさず、別個の不動産となります。 (立木も立木法により登記された場合は、同様の取り扱いです。登記されていない場合は土地の定着物)

民法・第87条 物の所有者が、その物の常用に供するため、 自己の所有に属する他の物をこれに附属させたときは、その附属させた物を従物とする。
2 従物は、主物の処分に従う。

従物は、定着物と同様、構成部分ではなく、別個独立した物であるが、 主物と一緒に使われているものと考えられます。

従物も定着物も、独立した物であるため、主物とは別に処分ができること。 ただし、特段の取り決めがなければ主物に一体となるのは定着物と同じ。

不動産取引の中では、反対の意思表示がない限り、主物に附属してくるため、 買主が従物を不要と思う場合はその意志を、売主が従物を切り離して別に 利用・処分をしたい場合はその意志を、それぞれ示されなければならない。

不動産実務の中では、定着物も従物も付属物も一緒に取り扱いの確認をします。 原則として事前に表示されなければ現況の状態で取引に入るため、 売主は販売する前に明確にしておき取り外すものがあれば示すこと、 買主は申込をする前に撤去の意思表示をすることが大事。

※エアコンやカーテンなどを従物のような感じで取引されていますが、 法律的には従物とまでいかず、付属物(付帯設備)だと思われます。 念のために、対象を拡げてトラブルがないようにということで、 このような実務的な取り扱いになったのだと思います。

ただし、交渉ごとの範囲になるため、要らないからと言っても、 それが必ずしも相手方に通るとは限らず、その際は、 不動産そのものや取引条件・価格などから総合的に判断することになる。

間違っても、意思表示しなければダメということで、 意思表示すれば通らないとおかしいとは思わないこと。 (たまに、条文や規定を自己の都合の良いように読み替えてしまう方がいらっしゃいますので)



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