不動産基礎知識:不動産の媒介依頼(08.01.11)

不動産の仲介(主に売却)を依頼する際に、 不動産会社と依頼者が締結する契約を媒介契約といいます。 この媒介契約をめぐっては、依頼の契約であって不動産売買そのものの契約ではないため、 依頼者も業者も軽く見ているケースが多く、その分トラブルも多くなっています。 書面を交わさず媒介契約の存否という根本的なことから、報酬請求権や解約、 業者間での抜いた抜かれたという争いまであります。

このため、宅地建物取引業法では、不動産流通市場の整備、 円滑な取引にするため、媒介契約に関する規定を設けています。

主な規定内容(同法第34条の2)を列記します。

・書面の作成、記名押印、交付
・評価額(査定額)を述べるときに根拠の提示
・有効期間は3ヶ月以内(更新も同)※
・規定期間内に指定登録気候への登録(証明書の発行)※
・依頼者への定期的な業務報告※
※は専任(専属含む)契約の場合

媒介契約には3つのタイプがあり、他業者,自己発見の取り扱いで分けられます。
1.一般 他業者 ○  自己発見 ○
2.専任 他業者 ×  自己発見 ○
3.専属 他業者 ×  自己発見 ×

不動産業者は、自社の取引確保のために、より厳しい制約になる2もしくは3の形態を、 それが当然という雰囲気で提示します。一般と専任のどちらが依頼者にとって有利か というのは永遠のテーマのように語られてきていますが、私個人は、 依頼者側に選択権(力)が残っている一般を勧めています。

業者側は、専任,専属でないと販売の力が入らないから一般はダメと言っていますが、 それこそ、自社の利益最優先ですよ!と言っているようなもの。 一般でも専任でも依頼を受けたという基本的なことに意識が入らないなら、 そういう会社は止めるべき。専任だと、後からしまったと気づいても遅いが、 一般なら他業者へ併行して依頼できるという手段が残される。

書面発行,有効期間,業務報告などは規定の通りです。 ここでは業者の不備,手落ちというケースが多いのでトラブルになることは少ない。 トラブルになるのは、解約や費用請求,報酬についてがほとんどです。 これについては、最近の社会意識の低下に起因することが多く、 依頼者(一般の方)がドライ,ズルイという感じも受けます。 このため、消費者を守る業法ですが、この部分は業者側を守り、 公正の確保,市場の健全な発達という観点に立っています。

トラブルが多い報酬,解約,他業者取引,直接取引などに関しては、 国土交通省告示で定められている標準約款にて細かく記載されています。

・直接取引

直接取引とは、不動産業者から得た情報,相手方と、不動産業者を排除して取引すること。 自己発見が業者以外からの情報,相手方という部分で区別される。 この場合、取引に対して不動産業者の役割が不可欠であったとされ、 契約成立に寄与(貢献)した割合で報酬が請求されます。(期間満了後2年以内)

・他業者での成約

一般の場合、他業者への依頼は依頼者の自由ですから報酬の請求はありません。 ただし、特別に依頼した事項があれば、その費用が請求されます。 専任,専属の場合、他業者への依頼は不可ですから、他業者で成約になった場合、 違約金(約定報酬額が上限)が請求されます。

・自己発見取引

一般,専任の場合、自己発見取引は禁止されていませんから報酬の請求はありません。 ただし、特別に依頼した事項があれば、その費用が請求されます。 専属の場合、自己発見取引は不可ですから、自己発見取引をした場合、 違約金(約定報酬額が上限)が請求されます。

・解約

依頼者側から期間内に解約した場合、履行費用の請求はあります。 なお、解約ができないのではありませんが、業者側に不正不当行為などの 止むを得ない理由がないと難しいかもしれません。

このように、一度、専任や専属の形態で依頼してしまうと、 後々の状況で困ったことになることもあります。 そこで、後々の自由を確保できる一般での依頼がお勧めです。 専任出ないと販売に力を入れないという話もありますが、 世の中に不動産会社はたくさんあるので、そこに依頼をしなければよいだけのこと。 一般でも一生懸命にやってくれる会社はたくさんありますよ。



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