不動産基礎知識:制限行為能力者制度(07.01.15)

行為能力=完全に有効な法律行為(契約など)を行える能力が 不十分な人たちを守るために制限行為能力者制度があります。 制限行為能力者には、1.未成年者、2.成年被後見人、 3.被保佐人、4.被補助人の4つのタイプがあります。

◆未成年者制度

未成年者とは、20歳未満の人を言います。 ただし、結婚をした場合は成年者として扱われます。

未成年者の保護の方法は、親権者か未成年者後見人という保護者を付けます。 契約などの場合、保護者の同意が必要であり、 保護者が代わって契約すること(代理)ができます。 この場合の保護者を法定代理人となります。

もし、単独で未成年者が契約などを行った場合、原則として取り消す事が出来ます。 (※例外もあり) この取り消しができるのは、未成年者本人、法定代理人、能力者本人です。

◆成年後見制度

判断能力の程度により、いくつかの段階に分かれ、 保護を図りながら、意思の尊重との調和を図っています。

1.成年被後見人(一番重い)

精神上の障害によって、物事を判断する能力が常に欠けている状態であり、 家庭裁判所が「後見開始の審判」にて認定する。 成年被後見人の保護者を成年後見人と呼び、法定代理人になります。

例:居住の用に供する建物または土地を、売却、賃貸、賃貸借の解除、 抵当権の設定その他の処分をする際、家庭裁判所の許可を要する。

もし、成年被後見人が契約を結んでも、契約の解除できます。 しかし、日用品の購入など日常生活に関する行為は、取り消す事はできない。

成年後見人には代理権があり、成年被後見人が単独で行った契約を 取り消す取消権もあります。成年被後見人自身も取り消す事ができる。

2.被保佐人(中間)

精神上の障害によって、物事を判断する能力が著しく不十分であり、 家庭裁判所で「補佐開始の審判」を受けます。

被保佐人は1人で契約ができます。しかし“重要な財産上の行為”のみ、 保佐人の同意が必要となります。同意が必要にも関わらず、 同意を得無かった場合取り消す事ができる。

保佐人は“重要な財産上の行為”について、 同意権、取消権、追認権があるのみで、 代理権は原則として与えられません。

3.被補助人(一番軽い)

精神上の障害によって物事を判断する能力が不十分であり、 家庭裁判所より「補助開始の審判」を受けます。 保護の方法は自分の希望に従って選択する事ができます。

不動産売却など「特定の行為」については、 同意と代理の両方を補助してもらう事もでき、 補助人の同意が必要な行為であるのにも関わらず、 同意無しに行った場合取り消す事ができます。

◆取り消し

制限行為能力者を守る必要性は高いことから、 取り消しについては善意の第三者にも対抗できます。 善意とは事情を知らないということで、 悪意とは事情を知っているということです。

例えば、未成年Aは法定代理人の同意を得ず、自己の土地をBに売却し、 その後Bは事情を知らない第三者Cへ転売した場合、 Aが未成年であることを理由にAB間の契約を取り消した。 その際、Cからの土地の返還を受けることAはできる。

◆取引の相手方の保護

制限行為能力者を守るために、いつまでも取り消しができる 不安定な状態のままでいると弊害もでることから、状態を安定させるために、 取引の相手方にもいくつかの手立てがあります。

1.相手方の催促権

取消しまたは追認の意思を促す制度で、1ヶ月以上の期間を定め催告することができます。 何も返事がない場合、法定代理人や行為能力者本人はきちんとした判断ができるため、 追認した事になり、有効になる。逆に、被保佐人や被補助者は判断できないこともあり、 何も返事をしない場合は取消したものとみなされます。

2.詐術を用いた場合

制限行為能力者が書類を偽造したりして、行為能力者と偽り詐術を用いた場合、 制限行為能力者を理由に取消しできません。

3.取消権の時効消滅

追認することのできる時から5年、行為のあった時から20年のうち、 いずれか早く到来する日が過ぎると取消す事ができなくなります。

4.法定追認

契約の完全有効を前提にしたような行為をしたとき、追認と同じ効果が生じる。

◆ポイント

きちんとした意志表示と法律行為ができる人を当事者として取引に参加させることです。 もし、後から分かった場合は、早急に、追認するのか、 取り消すのかを判断をするように催促して下さい。



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