住宅購入の見識:陸の孤島がますます増える(17.08.25)

お盆で帰省された方も多いと思います。本記事をご覧になっている方が今住んでいる地域というよりは、もしかすると実家を想像した方がわかりやすいかもしれません。

公共交通機関によるアクセスが不便な立地は「陸の孤島」と呼ばれます。狭義では最寄り駅が著しく遠い立地のことを指すことが多かったようです。例えば埼玉県の旧鳩ケ谷市(今は川口市)は埼玉高速鉄道が通るまで市内に鉄道の駅がない「陸の孤島」と呼ばれていました。とは言えバスを利用すれば主要駅へアクセスできる立地のため、これまでの「陸の孤島」は生活の不便さや立地の悪さを表す皮肉を含んだ表現だったのですが、これからの「陸の孤島」は、生活すらもままならない、本当の意味での孤島を指す用語になりそうです。

8月19日の報道でJR四国が路線維持が困難なため自治体に支援を要請するというニュースがありました。少し前にはJR北海道が赤字路線を中心に大幅な廃線計画を発表して話題になりました。人口が減ると鉄道は維持できません。これからは利用者数の少ない駅がどんどん統廃合されると予想されます。

人口減少時代では利用者数に合わせた最適化が最も重要な課題です。ないものを作るときよりも、存在するものをなくす方が多くの問題が顕在化してきます。ある日突然最寄り駅が廃止になったら、その駅を利用する人にとっては大きな問題となるのです。ですが、万人が納得できる対策はほとんどありません。社会資本のリストラでは、少なくない方の犠牲が余儀なくされるのです。これは鉄道に限ったことではありません。鉄道よりもバスの廃線の方が早く起こると思われますし、道路・トンネルなどのメンテナンスも利用者が少ない地域は優先順位が下がってしまうのです。

これから住宅を買う方は、今後人が集まり続ける街を選ぶことが大切です。エリアの人口動態(全体数ではなく年代別の増減を見た方が良いです)や、最寄り駅の乗降者数なども参考になるデータとなります。

すでに家を持っている方、実家などについては、よりシビアに人口動向を予測する必要があります。既に所有してしまっている場合は「住み慣れている」「想い出がある」など、資産とは異なるフィルターで判断を鈍らせてしまいます。人口減少が予測されるエリアでは売れるうちに売ってしまうというのが現実的な選択肢です。

いざという時にどうしようもない状態に陥らないように、客観的にかつ冷静に住宅資産を判断したいものです。


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