住宅購入の見識:人生、割り切り。(12.08.07)

京都の龍安寺、口を中心に「吾唯足知」と彫られたつくばいがある。

人間の欲望は際限がなく、追い求め続けてもきりがない。どこかで満足することを知らなければ幸せにはなれない。というような意味だと言われる。

住宅購入と転職は似ている。人生を左右する大きなイベント。転職であれば、報酬は高く、責任と負担は少なくが理想だが、どちらかは割り切らざるを得ない。

▼雨漏り、白アリ、建具や水回りの不具合、違法建築、20年前の建売住宅の現状である。建売住宅は怖い、という世間一般の不信感を見本にしたような建物である。

度重なる建築不祥事と震災などの災害により、建築規制も厳しくなり、今の建売住宅はここまでひどくはないが、過去の負の遺産により、現在でも不信感は根強い。

▼建売は不安だから注文住宅にしたい、という話を耳にする。着工から暮らす人が見えている建築工事であれば、現場の意識も高まり、不具合も減少する。

消費者のこの気持ち、考えは当然のことである。クオリティが高まり、手間が増えるため、建築コストの上昇は自然であり、これは消費者も理解している。

ただし、期待、願望も含めて、気持ちはわかるが、金額面を甘く見ている人が実に多い。近所の建売よりも200~300万円上乗せすれば大丈夫でしょ、現実からかい離している。

▼建築に、日常で触れていないのだから、致し方ないが、建売住宅として建築される建物の工事代金は、想像している以上に安い。金額は伝えられないが、びっくりするほどである。

会社運営経費(展示場、宣伝、人件費など)が少ない地元の工務店で、良心的な工事費用だとしても、イメージしている金額の倍以上、差は開く。

大手ハウスメーカーであれば、その差はさらに倍、倍の倍で、1,000万円以上はかけ離れるのではないか。

注文住宅にするには、土地の手当てもしなければならず、ここでも金額差は広がる。土地を選べる、というのは、希望を叶えることに繋がり、その分、建売住宅の敷地よりも高くなることが多い。

▼資産価値、建物のクオリティ、アフターフォロー、諸経費の整合などをすれば、実質的な差は縮まるが、そこまで精査して、比較している人は少ない。

さまざまな現実、実情を認識し、思い込みを排し、客観視することが大切であり、すべて願望通りにはならないと割り切ることも必要である。

安心感、アフターフォロー、クオリティ、快適満足などと得られるものと、支払う対価。どこで両立させるか、割り切るか。住宅購入は難しい。



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