住宅購入の見識:自宅購入の大きな勘違い(12.04.01)

不動産屋が書いていいのかと、悩んでしまうタブーな話をひとつ。自宅を購入するとは、不動産という資産の購入ではなく、住宅という消費財の購入と考えるべき、ということ。

会計学上では、不動産も固定資産と分類されるが、減価償却や時価による評価の見直しなど、将来にわたり、価値が継続するとは限らず、自宅もこれと同じ。

自宅を購入すると、家賃という支払いだけの一方通行から、住宅ローンの返済した分だけ不動産が自分のものになると思えるから、資産というイメージになりやすい。資産-借金=純資産という計算式。

しかし、建物部分は、クオリティにより年数の差はあれど、年数が経過する分だけ価値が減少する。土地部分は、地価が変わらなければ、価値が維持されることになるが、これからの人口減少時代に、地価が維持される地域がどの程度あるのか。

特に新築の場合は、分譲時の業者利益や新築プレミア分の価格上乗せがあり、中古住宅でも購入諸費用があることから、これらの分だけは、支払った金額だけの資産は残らない。

資産(自宅価値)から借金(住宅ローンの残高)を差し引いた金額がマイナスになれば、会計では債務超過状態となる。

資産も持っているけど、それ以上の借金があり、純資産はマイナス、という発想をすると、暗くなってしまうので、業者も消費者も触れないだけ。

経済的な価値を生み出すものを資産とすれば、自宅の場合、生み出されるものは「満足度」「安心感」「優越感」などの精神的なものが多く、経済的な価値とは言いづらいため、自宅を資産とは言いづらくなる。

精神的な幸福を得るために、お金を払う、ということであれば、それはまさに消費のイメージに近い。

資産を得るのではなく、消費であれば、家は買わない方がいいのか、ということではない。賃貸でも家賃を支払うことから、消費している。消費が悪ということではなく、持ち家も、賃貸と同じように消費なんだよ、という認識があればいいのでは。

価値が落ちない資産を購入するのであれば、どれだけお金を出してもいいが、消費と考えるなら、余分な出費をしないように心掛けるべき。

精神的な満足を得るために拠出する金額を考えるようにすれば、適正な消費になるのではないか。スーパーやデパートで消費するとき、支払う金額と得る品物を比べて、悩みますよね。それと同じです。

この自宅を買うために支払う金額を比べて、これでいいのかな、もうちょっと抑えよう、または、これだけの満足を得られるのだから支払ってもいい、とかね。

クルマに対する考え方は、自宅に対する考え方に似ている。自宅の購入は初めてでも、クルマの購入なら理解しやすい。燃費重視のハイブリットに人気があるように、省エネルギー住宅が注目を浴びているのは典型的。

走ればいいんだ(雨がしのげれば、寝るだけだから)と手ごろな中古車(中古住宅、中古マンション)、高品質でブランドある外車(大手ハウスメーカー)、新車(新築)を買って長く乗る(暮らす)、中古車(中古住宅)を短期間で乗り換える(住み替える)、クルマ(家)は買わない、リースやレンタカー(賃貸住宅)を利用する、などなど。

そして、クルマは走行距離や年式とともに評価(転売価格)が下がるように、自宅も年月や使用程度により評価が下がる、という発想があれば、大きな失敗はない。この発想でいて、評価が下がらなければ、それはうれしい誤算。

クルマという消費財を買う時と同じような発想で、自宅の購入を消費財の購入と考える、というのはいかがですか?



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