住宅購入の見識:サラリーマンは自宅を買うな(11.02.27)

「サラリーマンは自宅を買うな(石川貴康著、東洋経済新報社)」を読みました。サラリーマンに限らずですが、自宅の購入にはさまざまなリスクがあり、安易なセールストークや周りに流されて購入すると大変なことになる、と。その代わり、不動産投資をするべきだという趣旨。

本書に書かれているリスクひとつひとつは、どれも否定するところではなく(購入諸費用の詳細など細かい点の突っ込みはありますが)、たしかに、そのリスクをすべて考え、最悪の方向で考えるならば、自宅の購入をすべきではないと思います。

しかし、本書では自宅の購入に焦点をあてて書かれておりますが、このようなリスクは生きていく限り、自宅の購入に留まらず、社会生活すべてに関わるものだと思います。極論を言えば、リスクを考え、リスクがない世界に生きたいなら、この世ではない。

自宅の購入とおなじように、結婚でも、子育てでも、就職でも、それこそ、道を歩いていても、食事にしても、リスクはあり、リスクがあるなら止めるべきというなら、生きていけない。リスクがあるから全否定という論調には賛同できません。

自宅の購入なら、リスクがあるのを理解し、また、得られるリターンも含め、購入した場合、購入しない場合、それぞれを比較分析し、各自がそれぞれ判断されればいいのだと思います。

長期のローンを組んで、何の収益も生まない金食い虫の自宅を買うことのリスクには、いったいどういうものがあるのでしょうか?果たして、35年という長期ローンを抱えることが、あなたにとって安全なのでしょうか?・・・

生まれてこのかた、知らされずにきたと言えばそれまでですが、知らないことは高くつきます。下手をすると経済的な破綻にまで直面しかねないほどです。・・・

右肩上がりの経済成長時代が終わった時代に生活をしている私たちの世代は、真剣に自宅を「買うべきか、買わざるべきか」を考える必要がありそうです。・・・

引用元:サラリーマンは自宅を買うな、まえがき、より。

本書の流れは、自宅の購入はリスクがあるからすべきではない、その代わり、不動産投資をして家賃収入をすべきとなっております。実際に、著者は不動産投資家ですから、ご自身でも実行されております。

気になった点は二つ。自宅の購入=不動産購入のリスクをたくさんあげられておりますが、それは、不動産投資での不動産購入でも同様にあてはまることがあるのではないかということ。自宅の購入を止め、賃貸住宅への居住者が増えることで、不動産投資家にとって有利な環境になるのではないかということ。

自宅の場合のみリスクをあげ、投資の場合のリスクをあげないのは片手落ち。読みながら、少しは不動産投資のリスクに言及しているかと予測しておりましたが、みごとに不動産投資リスクが抜け落ちており、期待を裏切られました。

痛快なことに、自宅なら不動産に関わる費用が自己負担だが、賃貸ならそれは大家持ちと繰り返し書かれていること。でも、それは、不動産投資をしたらその費用が大家にくるということですよね。不動産投資の章では、その費用に関しての記述がない。

さらに、自宅を購入するなするなと繰り返し書かれると、不動産投資家としての本性、さぁ、うちにはいい部屋がいっぱいあるからおいでおいで、と言っているのではないかと錯覚されられました。

ちょっと厳しい書き方となってしまいましたが、自宅だけではなく、不動産購入、もっといえば、これから生きていくうえで、どのようなリスクがあるのかを知るには、本書をお勧めできます。人生全体を鳥瞰するのにもいいかもしれません。

最後に、まえがきに書かれていた「人生の結果を人のせいにできない」という言葉は共感です。

さまざまなリスクがあることを、すべて、国のせい、社会のせい、会社のせい、他人のせい、と押し付け、リスクにさらされると冷静さを失う、客観視できない方は、不動産購入というリスクが多いことには不向きかもしれません。

もし、どのようなリスクがあるのかを確認し、そのリスクを受け入れられるかどうか判断されたいと思われる方がいらっしゃいましたら、住宅購入サポートの初回無料面談をご利用ください。客観的にリスクをお伝えさせて頂きます。



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