住宅購入の見識:埼玉大変,千葉心配(11.02.14)

「不動産絶望未来(これからの住宅購入は“時間地価”で探せ!)」を読みました。本書の著者は、朝日新聞「AERA」編集部記者の山下努氏。平成22年12月発行。長年にわたる取材と、実際に著者が住宅購入した際の経験に基づき、今後の住宅購入に対して提言する内容です。

本書のポイントは、人口減少、高齢化社会をむかえて、また、若者の所有欲の減退もあわせ、郊外の住宅地の資産価値は壊滅状態になる。

それが本書内で使われている「埼玉大変,千葉心配」という言葉の元であり、これからの住宅購入は、都心に近いではなく、都心そのものの中古マンションを購入がベストとなっております。

また、経済の大局(金利や経済情勢)などを鑑みた「マクロ買い」を実践するようにも勧め、結果として著者は、絶好のタイミングで、銀座に歩け仕事も余暇も楽で楽しめ、含み益もあり貸しても損しない、といった条件を満たすマンションを購入する成果が得られた。

ただし、筆者自身は、本来、持ち家志向ではなく、できれば購入せずに賃貸で過ごしたかった様子で、では、なぜ、購入することになったのかというのは、ぜひ、本書を手にとって、お読みになってください。ものすごい発言がされています。(否定はしませんが、びっくりしました)

さて、題名の埼玉大変,千葉心配の元となった郊外住宅地が抱える問題点と今後のゆくすえについて、必ずと言っていいほど、不動産関連の書籍や雑誌などの記事で取り上げられる事例が、私が少年期から暮らしている「千葉ニュータウン」です。

本書でもやはり紹介されており、これだけ取り上げられる事例になるということは、郊外住宅地(特に課題面)の典型、教科書通りの見本のような事例なのでしょうね。たしかに、書かれている記事の内容に逸脱した間違いはありません。

本書で言われている郊外住宅地の課題、千葉ニュータウンの場合なら、さびしくて楽しめない、鉄道運賃が高い、高齢者比率が高く若者が少ない。これらの状況から、将来は悲惨な状態、資産価値の減少になると書かれております。

30年超も千葉ニュータウンの変遷を見ていて、一面から見れば、その通りとも思うし、そう判断されるのも否定はしません。ただし、一方的な著者の考え、スタイルを押しつけているきらいも感じます。

10万人超も暮らしているところで、たった一人の事例で決めつけたり、鉄道運賃と不動産価格と著者がいう時間地価とのバランス、一部の人口構成比率を全体に適用してしまうのは、いかがなものでしょう。

本書で言われていることが間違っているわけではありません。ただ、一方的な考えを、絶対だ、と決めつけたりすることなく、いろいろな考え方があるなか、自身にとってどのような住まい、住宅購入の可否を判断することが肝要かと。

さまざまな考え方、生活スタイルがあるわけですし、実際、千葉ニュータウンエリアは人気があって、品薄状態であるわけですから。ま、著者が言うには、不動産のプロ達に消費者がだまされている、ということですけど。

購入するかしないか、一戸建てかマンションか、新築か中古か、都心か郊外か、それぞれに良し悪しがあって、自身との相性の問題なんだと思います。住宅購入は。

こんなことを書くと、ほら、また、不動産のプロが、って、言われてしまうのかな。本書を含め、いろいろなお考え方を見聞きし、多面的にお考えなられることをお勧めします。



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