住宅購入の見識:住生活基本法(09.04.21)

住宅ローン減税、住宅取得のための贈与税非課税枠拡大。経済成長、景気回復のために、相変わらず、国の持ち家政策は続いている。戦後から高度成長期にかけて都市部への人口流入に核家族化で、住宅不足が起こり、国の住宅取得政策も相まって、持ち家取得が当然のような流れを作り、持ち家が借家よりも一段上のような扱いになっている。

確かに高度成長期からバブル期までは、インフレによる不動産資産の上昇と住宅ローンの実質負担軽減で、資産形成に役立った。また、賃貸住宅と比べ、住宅の広さやクオリティに差があり、リフォームなどの自由度、居住し続ける安定度などにおいても、持ち家の方が有利に働くことが多かった。現実にクレジットなどの信用度では持ち家の方が高く評価されるなど、社会的にも同様に扱われる。

しかし、バブル崩壊以降、資産価値の安定性が損なわれ、景気悪化による住宅ローン返済による家計圧迫、少子化による住宅需要の減少、高年齢化による住宅や住環境の維持の困難さが浮き彫りになり、また、世帯数を住宅戸数が上回る家余りの状況から賃貸住宅環境の向上など、持ち家が絶対的に有利とはならなくなってきた。

それでもなお、国の政策も社会的な流れも、持ち家取得を目指す方向は変わることはないだろう。それは、年金を頼りにすることが見えないなか、老後の生活を考えると家賃負担を老後も続けるのは厳しい。やはり、老後対策として有効なのは、持ち家取得であることが大きいからである。もちろん、賃貸住宅に居住し貯蓄などで老後対策を取ることも可能であり、持ち家でなければならないということはない。だが、住居負担と老後への備えが兼ねられる持ち家取得へと進まざる負えないのが現実ではないか。

持ち家を取得すればそれだけで老後への対策が万全になるわけではない。現役中の生活に無理がないこと、老後まで住宅ローン返済が重くのしかかることがない、のは当然として、いざとなれば売却や賃貸にして現金化できること、改装や修繕,再建築などに多額の費用が掛からないことが求められる。

国も、住生活基本法を制定し、住宅の長期耐久を目指したのは、国民の資産形成と居住の安定を高めるものとしているが、これはすなわち、持ち家取得と長期使用による老後の住居費負担を軽減する意図であるといえる。もしかしたら、年金などの社会保障では老後の生活を支えてあげられないから、老後の生活は自分たちで備えてね、ということかもしれない。



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