不動産会社と業界:仲介手数料を狙う手練手管への対策(15.08.17)

「御社の手数料はどこからもらうのですか?」 これは、不動産の売却依頼を受けた売主さんからのご質問です。

ご質問の真意をお伺いしてみると、他の不動産業者が買主を見つけてきた場合、弊社へ支払った仲介手数料をそちらの業者に支払わなければならないのかと思われていたようで、売主さんは弊社のみにお支払い、先方の業者は買主から手数料を受領するから大丈夫ですとお答えしました。

不動産流通の仕組み、複数の不動産業者による共同仲介、役割分担と手数料などについて、ご依頼時に説明させていただきましたが、馴染みのない業界内部のことについては、すぐにピンとこなくても仕方ありません。

改めて、不動産流通の仲介手数料について、ご説明させていただきます。

不動産売買が成立した際に不動産業者が仲介として介在した場合、報酬を支払わなければなりません。仲介の手数料なので仲介手数料と呼ばれておりますが、法律的には報酬となります。売主、買主ともに不動産売買の仲介を依頼したとして、それぞれが、それぞれ依頼した業者へ支払う必要があります。

この報酬の金額は宅地建物取引業法で「上限」が定められております。上限額は、次の即算式で計算されます。「契約金額(消費税抜き)×3%+6万円の合計額×1.08(消費税)」

この上限額は、売主、買主の一方から受け取ることができる報酬の上限額になります。業界用語で使われる「両手」「片手(分かれ)」というのは、売主と買主の両方から手数料を受け取るという言葉を略して「両手」、同じく、片方からのみ手数料を受け取る「片手」の意味となります。

この手数料の仕組みから、不動産業者や担当者は、自身の収入を増やすために、次のようなことを画策します。

・上限額を「法律で定められた金額、決まり、正規の金額」と説明して、依頼者と業者間で金額の取り決めができる機会を奪っている。法律の内容を故意(悪意)に間違った方向へ誘導しているのであるから、これは悪質なことである。

対策は「依頼する前から報酬について取り決めること」になる。

・買主側の条件などから、B(両手物件)よりA(片手物件)の物件の方が好ましいのにも関わらず、虚偽の説明を行い、Bの物件へと誘導する。

対策は「1.両手片手関係なしに対応する会社へ依頼する、2.各物件について買主自身で判断する」になる。

・不動産売却の場合、B(両手顧客)よりA(片手顧客)の方が良い条件(高く買うなど)にも関わらず、買主情報を秘匿、もしくは、不動産情報を隠して提供しないことにより、Bとの契約へと誘導する。これがいわゆる囲い込み問題。

対策は「1.一般媒介で依頼する、2.囲い込まれていないかチェックする」になる。

この他にも問題点はあるかもしれないが、つまるところ、収入と業務との兼ね合いで不動産業者や担当者がどのように動くかという「行動経済学」「経済心理学」によるもの。

手間がさほど変わらず収入が倍になるなら、誰しも両手を目指したくなる心理は当然のこと。お客様のためになる方で考え、結果的に両手になったというならいいが、そう考えられる人は少ない。

これは不動産営業に中途採用が多く稼ぐことに対しての意識が強い世界であること、給与体系の仕組みに歩合給(成績に応じた収入)の割合が高いことによる。

不動産業者や担当者の収入が増えることは問題ないが、これにより消費者が不利益を被る(それも業者や担当者の悪意で)のは大問題である。取引に直面したとき、業界や仕組みを変えることはできないので、依頼する側で対策を取らなければならない。



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