不動産会社と業界:ピッチャー(営業)は心理的に攻めてきます。(15.08.09)

高校野球真っ盛り、TV中継を見ていると、「緩い球に体勢を崩して空振り」とか「どうしてそれを見送っちゃうの」と思うようなことはございませんか。

例えば、速い球を何度も見た後に遅い球を投げられると速い球の感覚が残っているために崩れてしまう、インコースばかりに球が何度か来た後に急にアウトコースに投げられると遠く感じてしまい手が出ない、ということがあります。

これは、速い球、インコースに意識と感覚が引きずられてしまい、遅い球がさらに遅く感じる、アウトコースの球がより遠く感じる、というように、実際の球以上に特徴を強調された印象を持つことによります。

中継を見ていて、これを考えた際、住まい探しにも同じことが言えるのかなと、半ば強引なこじつけですが、考えてみました。

一般的には、一番最初に見た物件が物件選定の軸になると思われます。例えば、一番最初に見た物件が「駅徒歩10分、築10年、100平米、2,000万円」だったとしますと、同じ条件で1,800万円の物件があれば安いと判断し、2,200万円の物件があれば高いと判断します。

ただし、不動産はもっと細かい条件の積み重ねで構成されており、例えのように単純にはいきません。また、同じ条件で価格差に1割の違いがあれば、高い物件には高いなりの、安い物件には安いなりの理由があるはずです。もしくは、物件ではなく売主自身の都合かもしれません。

ここで問題なのは、もし、基準となる物件(一番最初に見た物件)の条件が相場を逸脱したものだった時、他の物件の判断も変わってきてしまいます。基準が相場よりも高ければどれも安く感じ、基準が安ければどの物件も高く感じる。

このことにより、適正価格などがわからなくなって、判断ミスをしたり、判断ができなくなってしまうことになります。

また、最初に見た物件の印象が良すぎた場合、頭ではなく気持ちの部分に基準ができてしまいます。

一番最初に見た物件の設備が豪華、室内がきれい、眺望や陽当たりが抜群などなど、このような場合、2件目以降の物件は、設備がいまいち、状態が不満、条件に満足がいかない、となります。このようなケースでは、判断ミスよりも購入そのものができなくなってしまうことになります。

買う人がバッターだとしたら、売る人(営業マン)はピッチャーになります。当然、ピッチャーはこのような心理を利用して相手を攻めます。

不動産営業の鉄則のように言われるのが、物件の見せ方(見学順など)です。最初に、ボロボロの物件(俗:つぶし物件、単につぶし)を見せて、次にやや悪いの物件(俗:当てブツ、当て物件)、最後に普通の物件(俗:本命、決めブツ)を見せます。

そうすると、ボロボロを見て、やや悪いを見ての後ですから、ごく普通の物件を見れば、これがとてもよく見える、という心理的な効果を発揮します。そうすればお客様のテンションもあがり、購入へと導くことができる。これを徹底するように(特に大手や販売系は)上司から徹底的に叩きこまれます。

週末になると、お店の会議で、今週の決めブツはこれとこれ、それに合わせて「絵を描け(ストーリーを作れ)」、その材料のつぶしや当てブツを用意しろと指示が入ります。

まさに、速い球を見せてからの遅い球、内角を見せてからの外角、など、比較することによる心理的な影響を考えて、ピッチャーも営業マンも攻めてくるのです。なので、バッターも購入者も注意してかからなければなりません。

近年では、ネットの普及で、営業マンの情報操作による上記のような心理作戦は取りづらくなってきました。その代わり、お客様自身がネットの情報を見ながら、自らはまってしまう方が増えています。

しかも、ネットの場合、現物を見ることなく文字だけのため、誤解、間違いがより大きくなっていることがあります。お話をお伺いしているとびっくりすることも。そうなると、誤解が大きい分だけ、より買えなくなるか、判断ミスがより大きくなるかもしれません。



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