不動産会社と業界:資格名称を変更したからと言って(15.06.12)

宅建(旧:宅地建物取引主任者、新:宅地建物取引士)の免許証を交付を受けている者は、5年に一度、法定講習を受講して、免許証の更新をしなければなりません。※運転免許証と同じ。

先日の水曜日、この法定講習を受講してきました。本年から業法の改正により免許の名称が変更になり、本年度以降に更新する人には「宅地建物取引士」の免許が交付されることになります。※希望者には更新前でも切り替え可能。

約25年の免許保有で何度目かの法定講習ですが、基本的な講習の構成は変わりません。監督官庁のお偉い方より挨拶があり、紛争事例、税制、法令改正内容の説明の講義が朝から夕方まで続き、最後に免許証の交付が行われます。

今年度は、免許名称が変更になったことから、この点についての講義が重点的に実施されました。

そもそも、業法を改正し、免許名称を変えたのは「主任者」から「士」に変わることにより、倫理観や意識が“自動的に”高まり、消費者保護と業界の発展につながるとのことでした。

主任者から士へ変更するに伴い、三つの規定が新設されました。(内容は要約)

1. 業務処理の原則:専門家として、消費者の利益保護、円滑の流通促進、公平かつ誠実な事務の遂行と関連業務者との連携を行わなければならない。

2. 信用失墜行為の禁止:宅地建物取引士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。

3. 知識及び能力の維持向上:取引に係る事務に必要な知識及び能力の維持向上に努めなければならない。

その他、業法の関連項目の改正として、宅地建物取引士は社内の従業者に対して必要な教育(アドバイスなど)をしなければならない、宅地建物取引士に反社会的勢力の関連者はなれない、免許の個人的な住所はシールで伏せてもいい、というものがあります。

そもそも、名称を変えただけで、能力と意識が向上するなら、他の業界でも会社でも名前を変えればいい。名称を変えたとしても、中身が変わらなければなにも意味がない。

そういう批判に関して、行政や業界では、上記のような倫理的な項目を追加したが、新設された内容を見て、いまさらなの?、いままでなかったの?、言われないとダメなの?、と思い、逆に、業界の意識の低さを認めたようなもの。

物件の囲い込み問題を始めとして、業界の模範となるべきトップ企業からして法令違反を行っている現状では、名称の変更などのまやかしや倫理観に訴えることだけでは、消費者保護にも業界の発展にも寄与しない。

自民党の委員会でも、「業界の現状では問題を解決するのは難しいのではないか」という提言まで出される始末。※政治家に言われるほどではないと思いますが。

最近では、家よりも高いクルマや時計もあり、不動産が一番大きい買い物とは言えなくなりましたが、それでも、一般の方にとって、大きな取引(売り買い)であることには違いありません。

そこに携わる者や業界の意識と能力を向上させることは必要であり、安全な取引を行うための仕組みは必要です。その対策が、倫理観や名称の変更ではないだろうというまでです。

個々の会社や人で意識と能力の向上をするしかなく、安全で公平な取引となるように工夫していくしかありません。消費者の方は、ご自身の目で選定する必要があります。※規模の大小と信頼は比例しません。営業所内の会話を聞かせてあげたいくらいです。



住宅購入サポート

サブコンテンツ

このページの先頭へ