不動産会社と業界:物件囲い込みの実態と対策(15.04.13)

週刊ダイヤモンド2015/04/18での巻頭特別レポート「スクープ!大手不動産が不正行為か、流出する“爆弾データ”の衝撃」で、大手不動産会社で行われている不正行為が告発された。

不正行為の内容は、物件の囲い込みと呼ばれるもので、情報操作により売主の利益をないがしろにし自社利益を獲得するもの。

宅地建物取引業法では、売却の依頼を受けた際には販売情報を指定流通機構に登録し広く買主を探索しなければならない(第34条の2)と定められています。その指定流通機構は通称レインズと呼ばれ、その運用規定では次のように定められている。

第18条(客付業者からの物件照会等) 元付業者は登録物件に関し、客付業者から物件詳細照会、現地案内申込みの連絡を受けた場合には、正当な事由がある場合を除いて拒否してはならない。

施行細則第6条(正当な事由) 規程第18条及び第19条で定める正当な事由とは、次のとおりとする。一 既に購入等の申込みを受けていること 二 売却等希望価格と購入等希望価格との著しい乖離 三 売却等希望条件と購入等希望条件との乖離 四 依頼者の意思

今回の不正行為とは、正当な事由がないにも関わらず物件詳細照会の拒否を行ったというもの。これにより売却情報が他社(他店・他の担当者含む)に流れることなく手元に留め置けることから「囲い込み」と呼ばれる。

この効果は、買主から支払われる仲介手数料を自社へ誘導できる可能性が高まることになり、この行為の問題点は売主(消費者)の利益と相反する可能性を否定できないというもの。

例:2,000万円で販売されている物件に対し、他社なら値引きなく満額で購入する買主がいるにも関わらず情報が提供されないため取引が成立せず、満額では売れないという結果から値引きに応じざるを得ない結果となり、消費者が不利益を被る。※仲介会社は利益倍増!

実際の現場では、どのように照会の拒絶をしているのか。

一番多い言葉が「話しが入ってます」「商談中」です。これが「申込があったうえでの交渉中、ローン審査中、契約予定」であれば正当事由にあたるが、ただの資料請求、さらに、まったくその気配もなく寝かせるだけのために拒絶するケースもある。

また、言い訳めいた言葉ではつぎのようなケースがある。

「資料作成中」→早く作らないのは売主の利益相反にも関わらず数週間経っても放置、しかし、ホームページにはしっかりと資料が公開されていたりする。

「所在地は教えられない」→どんな物件なのか分からなければ紹介できないので実質囲い込み。

「担当者不在」→組織として対応する意識がない。自社の都合が依頼者の利益よりも優先する。

さらに、業法で定められているので登録はするものの「登録した証明書」だけを取得し、瞬間蒸発のようにすぐさま登録削除をする。→そもそもの問い合わせをなくす。

この他にもレインズの規定では、下記のようなものがあり、情報照会は受けられても、申込段階で操作されたり(条件がいい買主ではなく業者にとって都合がいい買主へ)、売主へ虚偽の報告を行われている。

第19条(購入等の申込みの交渉順位) 元付業者は、正当な事由がないかぎり、原則として客付業者から物件の購入等の申込みの連絡を受けた順に交渉を開始しなければならない。

第20条(顧客への報告) 元付業者は、客付業者から物件の購入等の申込みの連絡を受けたときは、速やかに売却等の依頼者へその旨を報告し、売却等の意思の確認をするものとする。

とにかく、さまざまな方策で、売主の利益を考えることなく自社の利益獲得へ邁進する。これに売主(消費者)が対抗するには買主へのルートを複数確保すること、そのために売却の依頼を一社に頼らず一般媒介にすること。これだけで物件の囲い込みは防げる。



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