不動産会社と業界:家も法律も状況で見直すのは同じ(14.10.18)

昨年10月、不動産流通(仲介)業界に衝撃的な事件があった。レインズに「元付け業者による正当事由ない紹介拒否の禁止」が規定されたことである。

※レインズ:国土交通大臣より指定を受けた不動産業者専用の不動産流通データベース(ネットワーク)。宅建業法でもここへの登録が義務付けられるほど公的なシステム。

紹介拒否とは、売主から販売を依頼された不動産業者が自社の利益増大を図るため、販売情報を提供しないこと。情報が提供されなければ、好条件で購入する顧客を逃すことにもつながりかねず、それは売主の不利益となる。

一般消費者である売主の利益をないがしろにし、自社の利益増大を図るとは、消費者保護の観点、倫理道徳的にも許されることではない。

今までは各社の倫理観に任されていたが、利益優先の当世、自社の利益を優先する会社が多いため、情けないことだが、あえて規定されることになった。

それから丸1年が過ぎた。現実は、なにも変わっていない。

さすがに法律で規定されていることから、登録そのものをしない業者は少ないが、レインズに登録後すぐに削除する、話がある・商談中であると架空の話を作る、資料作成中として実質提供しない、場所を教えない、など、紹介を拒否する。

近年、どの業界でも様相は変わってきたように(大手企業=信頼できるではない)、会社の規模や知名度と反比例し、大手になればなるほど、紹介を拒否する確率は高くなる。

もう、抜本的に改革するしかない。古くなりすぎて現実に対応できなくなった民法と併せ、もう、ガタつき始めている宅地建物取引業法も見直さなければならないのではないか。

紹介を拒否するのは利益増大のためであるが、現在の報酬規定(法定)では適切な利益さえも確保しづらいことも影響している。※400万円のマンションを取引すると18万円(税別)の報酬で業務と責任は同じ。

年々、カバーする領域が広がるにも関わらず、不動産の下落基調が続くと、取引価格に比例し上限が決まっている報酬規定ではやりきれないのも現実である。

いっそのこと、報酬を自由化してしまってはどうか。ある程度の期間は業界内でけん制しあいながら今の状態で進むかもしれないが、いずれ、適切なところで落ち着き、サービスと報酬額を事前に提示するスタイルに切り替わる。

大手ならではのフルサービスで高報酬、逆に、大手でも量販店タイプで割安に提供したり、肌理細やかなサービスと報酬など、会社の特色で依頼する会社を選べるようになり、また、会社の信頼性も事前に確かめるようになる。

報酬の規定以外にも、無資格未経験でもその日から営業活動ができる資格制度など、宅地建物取引業法には改めなければならないことも多い。

高額となる不動産取引は、一般消費者が当事者になるケースが極めて少なく、また、一人一人ばらばらにサービスと不動産の提供を受けるため、まとまった力になりづらく、声もあがりづらい。

このため、政治・行政側が動かなければならないが、選挙の票にもつながらず、業界との密接な関係から期待することはできない。宅地建物取引主任者が宅地建物取引士と名称変更することで、業界のご機嫌を取ることくらいが関の山である。

何も変わらない現実を考えてばかりいてもむなしいだけで、不動産取引のサービス(仲介)はこうあるべきかなと模索しながら、細々と営んでいくだけである。



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