不動産会社と業界:新しい認定資格「宅建マイスター」(14.01.07)

複雑な社会への流れは、不動産業界も例外ではなく、関連分野も複雑に絡み合う。

不動産に関連する分野としては、建築、金融、税務、法務などがあり、さらに、リフォーム、住宅ローン、投資、所得税、相続税、不動産登記、権利関係などに細分化される。

不動産業務に従事する者が、どの分野に精通し、どのような業務(顧客)へ対応が可能かを示すために、公式非公式を相まって、資格や認定などが細分化されて増えてきた。

世間で言われる”不動産屋”は、宅地建物取引業法にて規定され、公式名称は”宅地建物取引業”となる。これは免許制度を取っており、定期的な更新と有資格者の専任従事が義務付けられている。

不動産業を営むため(宅地建物取引業の免許を受けるため)に必要な公的な資格を”宅地建物取引主任者”という。従業員5人に対して1人以上の資格者がいなければならない。

そもそも、不動産という高額な取引を”プロ”として携わるのに、有資格者が1人いれば無資格者4人が活動できるという制度そのものに問題はある。

事務スタッフは別として、消費者に対応する営業社員には最低限の知識と実務能力がなければならないはずである。現行制度では、業界経験だけでなく社会経験さえなくても、何千万円という取引を一人で携わっていいことになる。

こんな抜けた制度で、消費者保護をうたうなんて、宅地建物取引業法第一条の目的に矛盾しているのではないかと、常日頃思うが、まったく政治力がない零細企業が、大手企業の利益を考えた政治に対向するすべもない。

宅地建物取引業法・第一条  この法律は、宅地建物取引業を営む者について免許制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行うことにより、その業務の適正な運営と宅地及び建物の取引の公正とを確保するとともに、宅地建物取引業の健全な発達を促進し、もつて購入者等の利益の保護と宅地及び建物の流通の円滑化とを図ることを目的とする。

さらに、宅地建物取引主任者という資格は、形式的な手続きを行うことはあるものの、実質、永久資格である。運転免許と同じだが、知識や技能が古くなっても”有資格者”としての地位は脅かされない。

有資格者のなかには、だらだらと資格を継続しているものと、日々研鑽に励んで継続しているものの差別化を図りたい意向もあり、宅地建物取引主任者の資格取得後、5年超の実務経験が受験資格となる上級資格が生まれた。旧:不動産コンサルティング技能登録→新:公認不動産コンサルティングマスター。また、不動産アナリストという投資系の上級資格もある。

このコンサルティング資格は、宅地建物取引主任者の上級とはいえ、不動産取引よりも不動産活用の方向に向かい資格の活用する場面が離れてきた。

これらのことを鑑み、宅地建物取引主任者資格の研修業務(登録や更新時に必須)、公認不動産コンサルティングマスター制度の運用(試験、研修)など、不動産業界の向上と発展のために活動する”不動産流通近代化センター”では、不動産取引のエキスパートを育成するために新しい資格制度を今年より発足させた。

新しい資格(認定)である”宅建マイスター”は、「宅建主任者の資格登録後、実務経験3年以上の方を受講対象とし、実戦的な専門知識と実務遂行力のレベルアップを図ることで宅建業界を牽引するプロフェッショナルを養成することを目的としています。(不動産流通近代化センター説明文より抜粋)」

資格を得るためには養成講座を受ける必要がある。通信とスクーリングの二部構成となっており、それぞれに研修と修了試験がある。宅建マイスターに認定された後、さらに3年の実務経験と論文提出を行えば、さらに上位となる”フェロー”認定も予定されている。

このコラムでは、不動産取引に焦点を絞って紹介しましたが、関連に金融(FP)、相続、既存住宅、建築などなど、様々な資格がある。これらの内容を見ることにより、依頼するに足る人物なのか、求めている実務能力を有しているかの参考になる。



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