不動産会社と業界:不動産流通市場活性化フォーラム(12.05.28)

国土交通省では、多方面の有識者を集め、不動産流通市場の活性化を具体的に検討する場として「不動産流通市場活性化フォーラム」を設けております。これは第7回まで予定されており、5月の第6回会合で最終提言となる案がまとまりました。

提言は、三つの柱から構成されております。1)円滑な不動産取引のために必要な情報の蓄積と提供、2)消費者ニーズに対応できる不動産流通システムの整備、3)不動産流通市場の活性化に向けた環境整備、という構成です。

それぞれの項目を確認してみると、重複している部分もあり、消費者にわかりやすく分類しなおすと、1)不動産情報提供の在り方、2)宅建業者や従業員のスキル向上、3)中古住宅の推進、となります。※事業者向けとはいえ、わかりやすい表現に見直すという提言もあって、苦笑。

これからは中古住宅(ストック)の時代になるし、しなければならないのだろうから、不透明であいまいな不動産そのものの情報提示方法の整備や、購入する際のチェック(インスペクション)やサービスの充実は必要です。

私が特に注目したのは、不動産流通の仕組みそのものと、業者や従業員のスキル向上です。※中古住宅も含め、土地や新築、賃貸まで総括的に該当。提言案では、業者へは教育研修制度の充実と評価制度の創設、従業員へは全員が資格取得を必要とする制度を打ち出し、さらに、消費者教育へも言及しています。

現在の宅地建物取引業法では、宅建業を営むにあたり、従業員の5人に1人以上の宅地建物取引主任者がいることを条件にしております。裏返せば、生活や人生に大きな存在である住宅、高額な不動産取引を行うにあたって、資格を持っていない(スキルが足りない)者でも取扱いできることになる。

営業として携わる者は、やはり、ある程度のスキルが必要であり、そのために、この制度を改め、全員に資格取得を義務付けようというものです。ただし、現行の宅建主任者資格は、難易度や試験日程などにより現実的ではないこともあり、宅建主任者を上級資格とし、その下に取扱者的な資格を創設するという案もあります。

この全員資格取得義務付け案には、事業が成り立たないという業者側の言い分や、資格の乱立によるわかりづらさから、反対する意見もあります。反対者側は、業界や会社独自にやるから大丈夫という趣旨だが、そもそも低レベルの従業員が多く、資格取得が義務付けられると商売が継続できないという思惑を感じます。

資格を義務付け、知識だけあればいいのか。試験を得意とする人ばかりでいいのか。このような意見もわからずでもないが、最低限の知識は必要であり、そのレベルにも達せない人は、やはり携わらない方がいい。

大手さんやイケイケの不動産会社では、知識はあっても、会社(成績、立場)のことばかり考える人が多い。これでもいけない。運転免許と同じく、資格さえあればいいものではありません。運転する人のモラル、意識の高さも必須です。知識もあって、意識もある。この両方が必要です。

これらを有効に運用されるためには、他の項目にある不動産流通市場の整備、情報提供のあり方も大事になります。この提言は、あくまでも、国土交通省が今後の政策について参考にするというまでです。政治力などにより、どこまで実現するのか、国のモラルや意識に期待するしかありません。(苦笑)



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