不動産会社と業界:不動産取引所(案)(08.09.27)

ハトマークの全国宅地建物取引業協会の理事会に “不動産取引制度に関する研究会”の報告書が提出されました。

この報告書では、現在の不動産取引における問題点や課題を整理し、 これを解決するための方策として、不動産取引所の開設が有効であると提案されております。

≪報告書概要≫

1.不動産取引の現状と課題

・宅建業者が関与しない取引では、業法の適用外になり消費者保護の観点から課題を抱えている。

・競売、公売では業者の関与に関わらず、債権回収に主眼を置いているため、買主の保護に課題を抱えている。

・売主、買主の媒介を同一業者(いわゆる両手取引)では、売主、買主双方にとって利益相反関係にあることから、消費者保護に課題を抱えている。

・現状の取引では売主の希望価格提示から始まるため、時間面、価格面での流動性にリスクを抱えている。

・流動性リスクにより、売却の適切なタイミングが遅れることから、債務解消などで後手を踏むことがあり、より事態を悪化させる結果に繋がることがある。

2.問題解決策

・多数の取引参加者が存在するオープンな市場で取引がされれば、高い流動性が確保できる。

・適切価格の相場観を予め掴め、適確な判断ができる環境を作る。

・販売時における事前調査の徹底により、適切な評価を得られることは、買主、売主双方にとって、消費者保護ができる。

・仲介業者による意図的・恣意的な両手媒介を廃除することにより、売主、買主双方を保護できる。

これらを解消するために、早期確実かつ効率的な取引が行える消費者保護措置を 制度設計した不動産取引市場を創設し、取引を集中させることが有効である。

3.不動産取引所の案

・不動産取引所に参加する場合は宅建業者の媒介を必須とする。

・売主側からの物件出展時に、充実した情報提供と調査を行なう。

・買主が充実した物件情報の提供を受けられるようにする。

・予め購入希望を登録し、不動産の気配値を把握できるようにする。

・標準化された手続きにより、取引参加者の利便性を向上させる。

不動産取引所を構築することにより、不透明な市場の透明化、流動性の向上、 情報の非対称性の縮減、費用対効果の向上、取引機会の提供など、消費者保護が図れる。
この不動産取引所の案を眺めてみて、何が良いのか個人的な見解で思うのは、 不動産情報の充実と不動産業者による意図的恣意的な操作が廃除できる点です。

適切な評価になることで、本来高く売れるはずであった不動産の場合は、 売主側の利益増加になるが、逆に安くなってしまうことも有り得るので、五分五分か。 しかし、真面目に取り組んでいた人が正しく評価されることは公平にはなる。

現状の不動産取引では、不動産業者による悪意を持った意図的恣意的な操作が行なわれており、 オープンな市場になることで、これが廃除されることは、消費者保護の観点からかなり大きい。 特に売主側買主側の双方を操作できる両手取引では、この効果がさらに大きくなる。

また、売り出されている不動産情報の情報は、 現時点で一枚の概要書にまとまっているのみであり、 業者によっては精度が低く、情報量に不足があることが多い。(大手でも同様)

現在の不動産取引では、契約までに精度を上げ、情報量を増やしていくというのが一般的である。 さらに、契約後に不明瞭な部分を解消していくという条件での取引になることもある。

しかし、本来なら、購入を検討する段階で、適切かつ充実した情報の提供を受け 判断する機会が与えられるのが当然であり、不動産の売却活動をスタートする時点で、 調査や措置が完了していなければならない。

取引所に出展する際に、これらの調査や情報の提供がなされることが義務付けられたら、 消費者保護にとってかなり有効である。

現状、売主より依頼された不動産業者の調査不足・情報不足は深刻な問題であり、 買主より依頼された不動産業者が買主保護のために、調査不足・情報不足を補っているが、 売主でなければ知りえないことも多く、個人情報保護という御旗で調査も思うように進まず、 買主側の不動産業者には限界がある。

また、売り出されている不動産情報の紹介にあたり、紹介する段階で、 その全てを調査していくのは、時間的にも費用的にも物理的にもムリである。

売主と売主側の不動産業者による事前の調査と充実した情報の提供は、 取引所の開設どうこうとは関係なく、早急に改善していかなければならない。 (業界内の話ですが、業者の立場や成約効率などから、費用対効果は問題ないはず)

今回、宅建業界の偉い方々が、このような取り組みを考えていることを知って、 まだまだ業界に光はあるなと感じました。 ハトマークの全宅は中小企業で構成されており、 大手仲介会社で構成される不動産流通協会では、 このような消費者保護の方策を打ち出していない。 それは恣意的意図的な操作による両手仲介の減少が利益を減らすことになるからです。

正直に言って、不動産業界では、中小企業の人達の方が志を持ってより良くするために どうすればいいか真剣に考えている人たちが多く、 大手企業の方が、利益、利益、契約、契約しか考えていない人が多いように思う。 (それぞれに逆の方もいるとは思いますが)

自由に思いのたけをぶつけられる中小と、 サラリーマンとして成績に追われる大手との環境の違いでしょうか。 人としてはもともと違いがなかったと思いますが。



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