建築・建物・住宅:建築施工の監理(チェック)制度が根本的な問題(15.11.16)

受験生が試験の監視役をやる。これっておかしくないですか?

この関係のように誰もがおかしいと思うようなことが、建築の現場では行われて、違和感を抱かれない。マンションに限らず、戸建てでも、ハウスメーカーの注文建築でも。建築施工会社関係の建築士が設計監理をするケースが非常に多い(大多数)。

昨日のNHK日曜討論にて、データ改ざんをした業者が調査検証するというのは泥棒が取り調べるようなものでおかしくないですか?という質問に、国土交通大臣が「事業主や元請けゼネコンも一緒に調査しているから複数の目(会社)があるので大丈夫」という答えていた。

泥棒の実行犯を取り調べるのに、運転手役や首謀者も取り調べる側に参加するから大丈夫と答えているようなもの。今回の事件では、行政なり利害関係がない第三者機関が検証すべきで、当事者は報告までで検証や判断までやらせるのはおかしい。

そもそもの発端として、設計段階や竣工時のチェックと竣工後の補償対応までは形ができているが、肝心の建築そのもの、建築中のチェック体制が存在しないというところに問題がある。

本来は、設計士・建築士が「建築中の監理」を行うべきだが、冒頭のように建築会社と一体となっているため、チェック機能が働いていない。

この構造的な問題を解決するために、設計監理は完全分離する案が出ている。(当然と言えば当然のような内容をさも特別な体制のように言われることにも違和感はある)

これが実施されると、建築コストの上昇により、新築マンションも建売住宅・注文建築も価格は高くなり、消費者に負担が強いられるから厳しいというような意見も出ているが、本来あるべき費用であるべき負担であり、この負担で安心が高まるなら採用すべきである。

そして、増加した費用は、単純な監理の手間賃だけではなく、欠陥が発覚したら(重大なミス、簡易な見逃し前提で)建築士免許の停止や取り消しまであってもいいのではないか。料金を頂戴するには手間とリスクの両方が含まれるべき。その分、さらに高くなっても、本来あるべき姿と思う。

この監理した建築施工の履歴をマンションなら管理組合、戸建てなら所有者へ渡し、そこから竣工後の修繕まで含めて「家の履歴書」が完成する。これが国土交通省が目指している不動産流通の近代化、中古住宅の流通促進につながる。

もし、これが実現されると、新築住宅(マンション・戸建てとも)は高くなり、それに引っ張られて中古住宅(マンション・戸建てとも)も高くなる。中古住宅価格が上昇すれば、、一般家庭の資産や家計が救われることにもなる。(問題ない建物に限る)

しかし、建築コスト増加により、土地はその反動で割りくい地価は下がることになる。(欧米型の不動産市場に近づく)

なお、この通りに実現しても、企業文化が変わらなければ、隠れて手が結ばれて今までと同じようなことは行われるだろう。そもそも仕組みではなく、会社や人の意識や倫理観の問題なので。

それにしても、三井、三菱、住友、大京というトップデベと、鹿島、清水、熊谷組というスーパーゼネコンの名前が並ぶと、名前や規模が通じないのが不動産ということが分かる。


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