建築・建物・住宅:理想では購入者の感情を揺さぶれない(15.06.07)

空き家対策元年、空き家を調査や解体命令等が行える特別措置法が施行されたが、空き家になった後の対策的な法律であり、空き家そのものを減らすものではない。

6月5日に厚生労働省が発表した2014年の人口動態統計によると、1人の女性が生涯に何人の子どもを産むのかを推計した合計特殊出生率は1.42となり、9年ぶりに低下した。

人口が減少し、世帯数も減少するなか、新築住宅の大量供給が続く限り、空き家は増え続けることになる。

人口の減少を止めることは現実的な対応ではないため、新築住宅の供給を抑制することが空き家の増加を抑えることになる。

少ない需要を中古住宅側が奪ってしまい、新築の割合を減らすことが空き家の解消につながる。その方法は二つ。

1. 新築住宅の供給そのものを法律で強制的に押さえつける、もしくは、規制やハードルを高めて供給しづらい状況を作る。

2. 市場価格から新築住宅の供給が採算割れとなるようにする。

対策1は景気対策や業界と政界の癒着構造から動きづらい。さらに、資本主義のなかで民間ビジネスに政治が入り過ぎるのは好ましくないことから、理想論までに留まってしまうのではないか。※総量規制は必要かもしれないが現実的に。

とすると対策2の方が対応しやすい。

具体的には中古住宅の流通を活性化させ、良質で安価な戸建てが大量に供給されれば、その対比で新築は価格が下方向に引きずられ、採算が合わなくなってくる。

中古住宅が流通するようになれば、今までの空き家、これから供給される空き家が、新しい所有者に利用され、空き家が解消される。

インスペクション、住宅ローン制度、税制などの流通制度の改善が必要と評論家やメディアでは言われているが、それは教科書的な話であって、中古住宅を現実的に取引している現場で見ていると、それでは中古住宅の取引活性化にはつながらない。

※取引の基本としてインスペクションなどの仕組みや制度改革は必要です。活性化の起爆剤にはならないという意味であって、これらの取り組みを否定するものではありません。

現場から見て、中古住宅の取引を活性化するためのカギとなると思うのは「水回りの設備」です。

家が古くても、見た目が冴えなくても、水回りがきれいに一新されていると、購入者のテンションは高まり購入へと進みやすくなります。内装リフォームできれいなお部屋というのも高まりますが、水回り一新には及びません。

中古住宅は一般の方が売主になることが多く、売却するにあたってここまでチャレンジできることは少ない。※住みながらの売却では特に難しい。

これを可能にするためには、業者の買い取り再販売の充実が必要となる。この分野での制度を整備すること、税制の後押しをすることが流通促進になる。耐震強度を高めた場合に限り優遇などという狭い政策ではなく、根本的な政策を期待したい。

余談ですが、中古住宅の流通が盛んな欧米では、飽きがこなくて長く使える水回り設備が充実しているように思えます。


リニューアル仲介

「大切な財産であるお住まいに、様々な付加価値を提案することで、不動産が正しく評価され、買う方にも売る方にも安心してお取引をいただけるように取り組んでおります。」

サブコンテンツ

このページの先頭へ