建築・建物・住宅:目先の価格より建物のクオリティ(12.07.28)

高校野球の地方大会予選が佳境に入っている。この炎天下、猛暑の中、選手も観客も、暑さに負けず、がんばっている。野球のユニフォームは、枚数を重ね、夏向きではない。25年前、この暑さの中、練習していた自分が信じられない。

梅雨明け以降、連日、全国的に猛烈な暑さに襲われ、今日も42の都道府県に高温注意情報が発表されている。今年、熱中症で病院に搬送された人は1万人を超え、50人以上の方が亡くなってしまった。

▼熱中症は、日射病とは違い、室内でも発症するケースが多い。節電を意識しエアコンを使用せず、蒸し風呂のような部屋に長時間いたため、熱中症にかかることがある。

我が家は、築33年(昭和54年築)の建売木造住宅である。断熱材が入っているのか怪しいもので、夏は、日中の陽ざしで2階の室温が上昇し、炎天下の日に帰宅すると、まさに蒸し風呂状態である。

▼建物の性能を示すひとつに、断熱性、気密性、省エネルギー性能がある。この性能を考えるようになったのは、昭和55年からになる。昭和54年築(設計はさらに遡る)の建物に、断熱性能を求めることはできない。

昭和55年から、省エネルギー性能に基準が設けられて以降、平成に入り、徐々に基準が高くなってきた。当初、壁30mm・天井40mmであった基準は、現在の次世代省エネルギー基準では壁110mm・天井200mmとなっている。

▼国は、阪神大震災以後、耐震性に向上を推進してきたが、近年は、省エネルギー性能に力を入れている。これは、二酸化炭素排出を抑える環境面からの狙い。

しかし、この基準を満たす建物は全体の3割に満たない。これは、義務化されていないことと、建築コストが高くなることが要因。

国は、省エネルギー性能向上(次世代省エネルギー対応)を目指すために、フラット35の金利優遇などを行ってきたが、これも少ない予算枠のなかで行っており、限定的に行っているため、思うように普及しない。

▼次世代省エネルギー基準そのものも、その普及率の低さも、世界の基準からみると最低限らしい。日本の現状を発表した際には、あまりのことに会場から失笑が起きたとのこと。

この屈辱が起因となったのかは不明だが、2020年度以降は、次世代省エネルギーの基準を満たさなければ建築を認めない方向に動いている。

▼震災以後、計画停電や原発問題など電気に対する信頼性は落ちた。太陽光などの再生可能エネルギーを取り入れ、また、節電の意識を高め、コストの削減を心がけている家庭も増加した。

小手先の工夫では限界がある。根本的に、建物の性能を向上させ、レベルの高い建物が当然のように普及しなければならない。目先の価格に心を動かされないことが肝要である。

耐久性、省エネルギー性能など、日本の建物の基準は低い。昭和時代の質より量から、長く使える(多少高くても)建物を増やさなければならない。35年の住宅ローンが完済したら、建物の価値もゼロだった、ではいけない。


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