建築・建物・住宅:いまどきのマンション基礎知識(11.02.05)

マンションも、クルマや家電製品のように、日々進化していきます。不動産仲介の現場では、新築マンションを取り扱うことは稀で、中古マンションとして市場に出回るまで、マンションの中身はわからないことが多いです。そのため、最新のマンション事情には疎くなりがちですので、自身の勉強のためにも、少し、いまどきのマンション事情を書いてみます。

規模:戸数が50戸未満が小規模、100戸以上が大規模、中高層の棟が複数あり計300戸以上をメガと呼ばれる。※一般的な感覚で必ずという決まりはありません。規模が大きくなると、共用施設が充実し、マンションだけで街並みを形成することもあるが、管理組合が大きくなりすぎてまとまりがなくなる面も。

高さ:10~20階建てを高層、20階建て以上を超高層と呼ばれる。※一般的な感覚で必ずという決まりはありません。超高層になると長方形の横長タイプから正方形に近いタワータイプになることが多い。窓も多面になり眺望もよくなるが、窓が開けられないケースもあり、風も強い。高層になればなるほどエレベーターの関与率が高まる。ステータス感から近年、超高層タワーマンションが乱立しているが、まだ経過年数が短いため、メンテナンス費用や健康問題、引きこもりがちになる点などの懸念事項の結論は出ていない。

構造:従来の工法では、柱や梁が室内側に出っ張っていたが、アウトフレーム工法の場合、柱や梁を室外側に出すため、室内空間が広がり、家具の設置などもしやすくなった。同様に、天井にあった梁を下から出す逆梁工法で梁をベランダに出すと、開口部の高さが拡がり、奥まで明かりが入りやすい。

床と天井:従来の床や天井に直接、床材やクロスを張ると、上下階の音の問題が出やすい。※わたしの自宅は床に直接フローリングを張っているため、とても冷たく、そして、かたい。最近のマンションでは、床や天井を二重にしている。スラブに脚や桟をかけて、床や天井を張っている。この方法だと、音の問題のほか、配線や配管にも有益。※L値の性能と併せて確認。

L値:遮音性能を表す数値で、軽量床衝撃音に対するLL値、重量床衝撃音に対するLH値がある。どちらも数値が小さいほど性能がよい。L値は50以下が望ましいと言われる。※二重床,天井かと併せて確認。※壁の遮音性に使われるD値は数値が大きいほど性能がよいので、お間違えなきよう。

スケルトン・インフィル:スケルトン(構造)とインフィル(内装)を分離した住宅(マンションに限らず、大手ハウスメーカーの戸建でも採用)。構造と内装が分離していると、間取りの変更やリフォームなどが容易になり、自由度が高い。最近、増加しているリノベーションマンションが今後増加することなども含め、中古住宅市場で評価されるため、資産価値が高く維持される傾向にある。

内廊下:現在でも大多数のマンションでは、外に面して廊下が設置されているが、豪華な雰囲気(ホテル的)、プライバシーの確保や防犯、雨風にさらされず快適なことなどから、内廊下式のマンションが徐々に増えてきた。ただし、価格や施工に難しさもあり、普及に限界もある。

耐震性能:戸建てと同様に、耐震性能は、耐震、制震、免震の3つに分けられる。耐震は地震負けないよう強く作る、制震は揺れを制御する仕組みを取る、免震は揺れを逃がしてしまう仕組みを取る。性能は、耐震<制震<免震、といわれており、性能があがる分だけ価格も高くなる。※費用と性能のバランスや設置条件などから、制震を採用するケースが多くなっている。

省エネ基準:建物も性能表示制度で、クルマのように星マークなどを採用し、わかりやすさを心がけている。新省エネルギー基準、次世代省エネルギー基準、トップランナー基準とあり、現在一般的なのは、次世代省エネルギー基準。住宅版エコポイントや長期優良住宅の条件、フラット35の優遇などは、次世代省エネルギー基準がベースとなる。※エコガラスとは、複層ガラスの内側に特殊な金属膜を入れて断熱性を高めたもの。

管理:おもに共用部分の維持管理清掃のほか、マンション全体の事務的な業務などを行う。管理形態は管理員の勤務形態により分けられる。常駐する(24時間制も)常駐管理、通勤してくる通勤管理(遠隔管理もあり)、巡回してくる巡回管理、管理員を外部に頼らない自主管理。ほとんどのマンションでは、管理会社に委託しているが、管理費の節約などを目的に変更されるケースも多くなった。管理のサービスの質や量と管理費は比例しており、過剰な部分をカットしてシンプルにするケースも見られる。ホテルのようなフロントサービスも憧れるが、その分、管理費が高くなる。

駐車駐輪:平面自走式、敷地内に100%の確保に加え、来客用があればベスト。しかし、敷地の広さや立地環境などから、立体式が採用されているケースも多い。とくに注意が必要なのは機械式のケース。先日の雪の日に動かなくなったり、自身のクルマに乗車するまでに時間がかかり、天候や気候によっては辛いことも。また、機械式はメンテナンスコストも高く、管理費や駐車料金に反映されやすい。駐輪スペースは、ファミリータイプのマンションでは不足気味。スペースが少なく、自転車がエントランスなどに散乱してくると、マンション全体の資産価値低下にもつながる。さらにミニバイクなどの置き場まで考慮されていないマンションも多い。

ペット:ペットの飼育が可能なマンションが増えてきました。ペットを飼育されている家庭のために、足洗い場などの設備を設けているマンションが基本。※飼育不可の方がすくないくらいです。ただし、飼育している家庭と飼育していない家庭でのトラブルも多い。とくに飼育する予定がない家庭は、飼育されているという認識を持つことが大事で、面倒をさけたい場合は、飼育不可のマンションを選ぶのも一法。

共用施設:保育園やスーパーのほか、フィットネスクラブ、キッズルーム、ゲストルームにスパなど、特に大規模なマンションほど、さまざまな共用施設が充実している。ただし、施設のメンテナンスや維持管理費用は管理費などの含まれるため、あまり利用しない家庭には負担がある分だけ損になることも。

以上、取り急ぎ、基本的なところを網羅してみました。

新築マンションの販売現場では、豪華なパンフレットに、華やかなモデルルーム、洗練された営業など、ついついテンションが高くなりがちですが、基本的な部分はしっかり押さえてください。

新築マンションの購入相談を受けることが定期的にありますが、年々、売り方がうまくなっていくなって実感します。相談を受けている私が欲しくなるくらいですから。※でも、購入するお金がありません。


リニューアル仲介

「大切な財産であるお住まいに、様々な付加価値を提案することで、不動産が正しく評価され、買う方にも売る方にも安心してお取引をいただけるように取り組んでおります。」

サブコンテンツ

このページの先頭へ