建築・建物・住宅:ホームインスペクション(09.04.23)

インスペクションを辞書(大辞林)で調べてみると「視察。検査。点検。監視。」と出る。ホームインスペクションの場合は検査という意味合いが強く「家の検査」という意味が一番しっくりくる。

住宅のあり方を抜本的に見直す“住生活基本法”では、住宅の資産価値向上が第一の目的と言ってもよい。このために必要なことは、質の高い建物の普及(新築)と、日々のメンテナンスによる維持管理であるが、それ以上に、資産価値≒流通価値(売却)となることから、売却時に適正な評価ができるような中古住宅流通市場の整備が必須の課題となる。

課題は、建物の価値が適正に評価されていないところにある。新築時から売却に至るまでの間、書類などが保管され、日常のメンテナンスなどの建物管理が適切に行われていれば、適正な評価を得られるようになる。住生活基本法では、これを“家歴書”の整備として行うように推進する予定である。

今後新築される建物に関しては家歴書の整備による適切な評価を得られるようになるが、今現在すでに存在している建物に対して適切な評価を得られるようにする取り組みが必要であり、それが“ホームインスペクション”である。

市場重視・ストック重視の政策を展開していく上では、住宅の質が適切に評価され、適切な価格で安心して既存住宅が取引できる流通市場の形成を図ることが必要である。現状では、住宅の取得後、その資産価値を維持または向上させようとする国民の意識は希薄であるとともに、既存住宅の流通市場でも、住宅の質や維持管理の程度の差等が適切に価格に反映されているとはいえず、また、それらを適正に評価するための共通の基準も十分には共有されていない。

引用元:国土交通省,社会資本整備審議会「長期にわたり使用可能な質の高い住宅を整備・普及させていくための方策について」答申

ホームインスペクションは、売却を前提とせず、建物の状態を知るための診断としても利用できるが、それ以上に、住まいの売却時に建物を適正に評価されるため(→建物評価を売却価格に反映させるため)に利用されるケースが多くなると思われる。

しかし、現状では、住まいに限らず情報公開を求める現在の消費者動向,意識により、買い主側の希望として実施されるケースが多いが、そもそもホームインスペクションは、不動産の情報公開であるから売り主の理解と協力がなければ始まらない。

不動産売却を取り扱う不動産業界側の理解も乏しく、さらに売主自身も建物の評価減に繋がる恐れを感じて尻込みしてしまう傾向が強いため、普及は限定的だ。

買い主側の意向は決してあら探しをしたいものではない。どのような状態にあるのか、今後、どの程度の費用とメンテナンスが必要となり、その結果、残存期間はどのくらいか、という事実をありのままに知りたいだけである。

例えメンテナンスが必要となる点があったとしても、きちんとホームインスペクションを受け、事実をありのままに伝えてくれる方が、先を見通せる安心感となって、価格としても高く評価される。※ホームインスペクションの費用が上乗せされても問題ない。

近年の企業不祥事を見ても、不祥事をごまかしたり隠したりすることい対して厳しい評価がくだり、ありのまま事実を速やかに公表したところは大きなダメージは受けていない。これと同じことである。

中古住宅を売却するのは一般の方が多く、商品という感覚にはなりづらいのは理解するが、購入者の心理としては商品と購入と同じように、購入する物を包み隠さず表記してもらいたいと願うのは当然である。これは土地でも同じ。

不動産を取り扱うものとしては、良いことでも悪いことでも事実をありのままに伝えたい。これには売り主側(不動産業者含む)の理解と協力が必要となる。

買い主側(不動産業者含む)としては、何十もある購入候補地すべてに調査をすることは物理的にも費用的も無理である。理想の市場形成としては、土地にしろ建物にしろ、売り出される前にきちんと点検,調査のうえ、情報を広く深く公開され、買い主側が事実をありのままに受け入れ、選択と判断をするというものになる。

これは売り主側にも決して不利益になるものではない。なぜなら質の高い住宅とまめな手入れという努力が報われ、不動産が適正に評価されるから。これができて、不動産流通の近代化と整備になる。


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