建築・建物・住宅:アーバンエステート倒産による被害(09.04.05)

今年に入り、注文住宅を請け負うハウスメーカーの倒産が目立っている。今年1月の富士ハウス倒産のニュースも記憶に新しい中、TVCMで有名なアーバンエステートが倒産した。(民事再生法申請後、自己破産へ)

(株)アーバンエステート(資本金7000万円、川口市幸町1-3-31、代表大山伸吾氏、従業員480名)は、3月24日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。

申請代理人は鈴木一弁護士(東京都港区虎ノ門1-19-9、電話03-3509-6818)ほか1名。監督委員は髙木茂弁護士(東京都中央区銀座2-7-6、電話03-3538-8351)。

当社は、2002年(平成14年)9月に設立された木造注文住宅の建築販売業者。業界後発組ながらテレビCMなどを利用した積極的な広告宣伝活動により、近年は地元埼玉内外を問わず認知度が向上、急速に業界内での存在感を高めていた。壁のゆがみや床の勾配をつくらない4.5寸角の檜を使用した高品質を強みに、継続点検による60年保証の「一生涯の家」シリーズを展開。近時は、埼玉を中心に東京、神奈川、千葉、群馬、茨城、栃木、静岡などに42の営業所を構え、2003年12月期に約8億1900万円であった年売上高は、2007年12月期には約64億9300万円にまで伸長していた。

しかし、急速な営業拠点の開設と従業員の募集に加え、テレビを中心とした積極的な広告宣伝活動から資金繰りは従前から厳しく、支払い遅延が散発するなど取引先の間で警戒感が高まっていた。さらに、近時の金融危機、不動産市況の悪化も重なり販売も低調に推移。こうしたなか、3月末に向けた資金調達も限界に達し、自主再建を断念した。

負債は債権者約500名に対し約50億円。

引用元:帝国データバンク

数年前の耐震偽装事件を教訓に「住宅瑕疵担保履行法」が制定され、不動産分譲業者(代表例ヒューザー)やハウスメーカーが倒産した後、住宅に瑕疵(欠陥)が発覚した際の消費者保護制度はできた。(最近、新聞の折り込みで「住宅かし保険」というチラシが配布されました)

ただし、この法律は、平成21年10月1日以降に引き渡される住宅に適用となるため、すでに、今回のアーバンエステートや1月の富士ハウスの場合、対象外になる。

それでも、両社から建物の引き渡しを受けている人は、まだ被害は少ない。

TBS「噂の東京マガジン」でも取り上げられたが、一番大変な状況になっている方は、契約が済み、手付金や中間金を支払っているが、まだ着工や竣工していないケース。

お金は支払った。家は完成していない。でも、支払ったお金はほとんど戻ってこない。完成していないから暮せない。さらに、新しい工務店などで工事を続ける場合、追加で費用が発生する。

まさに踏んだり蹴ったり、にっちもさっちもいかない、最悪の状況。

すべてのケースが対象になるわけではないが、マンション業者が倒産した場合、契約後引き渡し前に支払う手付金や中間金に対して、保険や保全をする義務が課せられる。このことにより、引き渡しは得られないが、支払ったお金は戻ってくることで被害は小さく抑えられる。※被害全般のカバーは無理だろうが、宅建の免許を受けるにあたり、賠償請求に対応するための供託金制度もある。

これは、不動産業者を取り締まる宅建業法での定めによるものであるが、建築請負は不動産取引とは別ものなので、この法律は適用外。建築業界では、住宅完成保証制度も存在はするが、強制,義務化されているものではなく、業者側の任意の制度である。

中小,零細の工務店などでは、消費者の信頼を獲得するため、このような制度に関して積極的な面もあるが、大手,中堅企業は、会社の規模やTVCMなどの根拠もない理由で信頼を獲得しようとする。

実際、今回の件でご相談された方は「TVCMをしているので大丈夫だろうと信頼した」と仰っていた。

ここが潰れるときは日本経済が破たんするときだろうというくらいの大手企業もあるが、住宅,建築業界の大半は中堅以下の小さな会社で占められている。

行政側の対応として、不動産取引と同じように、契約後竣工前の消費者を保護する制度の確立が求められる。

そして、TVCMで消費者へ信頼を与えてしまった放送局は、今後同じような被害が出ないように、今回のケースを大きく盛り上げてもらいたい。倒産した会社から広告料をもらい、信頼を与えて、被害を大きくした。片棒を担いだとは言わないが、せめて、このくらいの道義的な役目は果たしてほしい。(耐震偽装事件のときは出来たのだから)

倒産の記事でも「テレビを中心とした積極的な広告宣伝活動から資金繰りは従前から厳しく」と書かれているくらいなのだから。特に噂の東京マガジンや朝ズバには期待しています。(井崎さんは馬時代からのファン)

これから住宅を新築されようとされる方は、ある程度、手付金などの支払は必要となるが、必要以上に支払うことは避け、完成保証などの制度などを建築会社側に確認することが必要です。


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