建築・建物・住宅:建売大手でも耐震強度不足(06.06.19)

本日の日本経済新聞に、大手建売メーカー(パワービルダー)分譲の 建売住宅が耐震強度不足であったとの記事が掲載されました。

[記事概要]

◆建売住宅681棟が強度不足・練馬の一建設

関東を中心に戸建て住宅を販売する「一(はじめ)建設」(東京)は 18日、同社の建売住宅681棟が建築基準法の定める強度を満たしていないと 発表した。同社は既に購入者へ連絡し、補修工事を順次進めているという。

同社は耐震強度偽装問題の発覚を受け、建築基準法が改正された2000年 6月以降に建築確認を受けた約2万7000棟を調査。千葉県や東京都などの 設計事務所12社に設計を外注した681棟で、基準より筋交いが足りなかった。

強度は基準の「70%以上100%未満」が559棟、「50%以上70%未満」が 112棟、「50%未満」が5棟。依然、強度を精査中のものも5棟ある。

引用元:日本経済新聞(06.06.19)

マンションの耐震強度偽造事件が起きたときに、不動産業者の感覚では、 マンションでそんなことが起こるなら、建売住宅ではもっと大変なことに なっているのではというのが、まず思ったことです。

今回のことがなぜ起きたのかは、この記事では記載されておりません。 考えられるとしたら、次のパターンでしょうか。

1.分譲業者は知らずに設計事務所独断で強度不足の設計をした。
2.分譲業者と設計事務所が結託して強度不足の設計で申請し、強度不足を承知の上で、建築施工、分譲販売した。

この記事では全く内容が掴めませんが、たくさんの疑問が湧いてきます。

 1.検査機関について
   ・この建物を担当した検査機関はどこなのか?
   ・なぜ見逃したのか?
   ・なぜ発表されないのか?
   ・このことについて行政はどう動いたのか?

マンションの構造計算書偽造と違って、建売住宅の建築設計審査の書類は、 そんなに複雑ではありません。構造に強い設計士(検査官)がいないとか 不足しているとかではなく、設計士なら誰でも分かるような基本的なことです。

 2.設計事務所について
   ・どの設計事務所であるか即時公表はしないのか?
   ・故意なのかミスなのか?
   ・この設計事務所に行政の対応は?

木造2階建ての耐震強度は、基本中のことであり、ミスであってもプロとして 許されることではない。故意なら重大事で、明らかに犯罪だと思います。

 3.施工について
   ・大工や現場監督などの人は分からなかったのか?

もし分からなかったのなら、現場のレベルの低さが怖い。 分かっていたのなら、それが直らない会社の体質の問題です。

この会社以外にも、この会社から派生し根が同じ建売業者(パワービルダー)がたくさんあり、 しかも、上場企業も多いので、かなりの数の分譲棟数になると思います。 これらの建売住宅は大丈夫なのでしょうか?

また、2000年以降で調査していますが、それ以前に分譲した分は大丈夫なのでしょうか? マンションの構造計算書偽装事件では、行政が検査したものでも、見逃しがありましたから、 法律改正以前に行政で検査した物件でも、耐震強度不足の建物はあると考える方が自然です。

今回は、会社の規模も大きく、全責任を分譲業者が取るらしいので、 最悪の被害にはならなそうですが、これが小さな会社だったらどうなったのでしょうか。

これから中古住宅として販売される一戸建ても、施工業者、分譲業者がどこなのか問われそうです。 当然、建物評価にも影響が出ることでしょう。


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