家計・税金・保険:相続税対策と相続対策の違い(14.10.03)

今年も残すところ、あと三ヶ月。とうとう相続税の増税時期が迫ってきました。今年の年末、税制では消費税が再増税されるかが注目されますが、不動産市場では相続税の増税が影響を与えそうです。

今回の相続税改正で一番大きく影響するのは、基礎控除額の見直し(減額)です。今年までは、5,000万円+1,000万円×法定相続人数だったものが、来年からは3,000万円+500万円×法定相続人数となる。計算例)配偶者と子2人の場合:今年5,000万円+1,000万円×3人で基礎控除額8,000万円 → 来年以降3,000万円+600万円×3人で基礎控除額4,800万円。このモデルなら、相続財産課税総額8,000万円だと、今年なら税額ゼロだったものが、来年は3,200万円が課税対象となり支払う相続税は330万円となる。

先日、私の父が亡くなったが、自宅も所有せず、預貯金も生活費程度で、保険金も見舞金程度だったため、相続の手続きは煩雑だったものの、相続税の心配は一切する必要がなかった。日本全国、相続税の課税対象となる割合は現在で20人に1人程度で、基礎控除額が減額されても、まだまだ大多数の人は相続税の心配をする必要もないが、今回の改正で影響があるのは、元々の課税対象者と基礎控除額のボーダーライン付近(資産が5,000~1億円)の人。

不動産を所有している人がなくなった場合、不動産の評価(相続税の課税価額)は実際に売却できるであろう価格(時価)よりも減額されるため、仮に2,000万円の預貯金・保険と3,000万円程度で売れるだろう自宅の所有であれば、自宅部分が減額されるため、相続税の対象とはならない。(上記モデルの場合)

金融資産の額は地域によって評価が変わるわけではないが、不動産(自宅)は地域により評価(価格)が大きく変わる。

弊社がある柏近辺なら、よほどの豪邸でもない限り、自宅の評価が3,000万円(時価ではなく相続税の課税価額)を超えることは少ない。自宅の評価が3,000万円を超える地域(都心や千葉県なら市川や浦安など)では、今回の相続税増税の影響を受ける。ゼロから課税対象になるのだから、インパクトは元々の課税対象者以上かもしれない。

今回の相続税増税を知って試算してみたところ、金融資産4,000万円、自宅評価4,000万円、相続税の課税対象財産が8,000万円と予測され、330万円も相続税が発生するからと、慌てて相続税対策というのは早計かもしれない。

相続税対策は、資産額を変えずに課税対象の評価額を変えることが王道であり、具体的には金融資産を不動産資産へと組み替えることとなる。金融資産4,000万円を不動産へ変換して最大80%の評価減となり課税評価が4,800万円となれば、基礎控除額以内に収まり、相続税対策としては有効だったかもしれない。

しかし、4,000万円の不動産を購入するにあたり、およそ200万円の諸経費がかかれば差し引き130万円を節約したに過ぎない。支払いが相続税ではなく仲介手数料などの不動産購入諸経費になっただけである。

それでも130万円も節約できるからとも思えるが、現在もご存命であれば(相続税対策ということはご存命のはず)、お亡くなりになるまでの生活費や医療費などの負担も考えなければならず、現金を手元に残しておく必要がある。さらに、お亡くなりになったときの葬儀費用や相続後の配偶者の生活などを考えた場合、なおさら現金の必要性が出る。

課税対象額が8,000万円程度あるケースであれば、なにかしらの対策を考えるべきであるが、相続税の減額だけに焦点を絞った対策は後々困ることも出てくるかもしれない。ご存命中からご逝去された後、さらに二次相続(配偶者が亡くなったとき)までトータルで考えてこその相続対策です。大資産家でもなければ、相続税のみの対策ではいけません。広く大きく長く深く考えることが必要です。

※文中の金額は試算値で目安です。各種特例などにより実際の相続税額は変動いたします。



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