家計・税金・保険:活況な相続対策ビジネス(14.08.06)

2015年から増税される相続税。適切な表現は相続税の改正だが、増税と呼ばれる理由は「基礎控除額の減額により対象者の圧倒的増加」によるものである。

消費税のように税率※の増税ではなく、相続財産から自動的に差し引ける基礎控除額を大幅に減らした結果、現行なら相続税の対象でない人も対象となり、また、控除額が減った分だけ課税される財産が増えることになる。※最高税率は引き上げられる。

基礎控除額の変更内容は、現行「5000万円+1000万円×法定相続人数」から「3000万円+600万円×法定相続人数」に引き下がるもの。

計算例として、配偶者と子供2人の場合、現行であれば基礎控除額8000万円であったものが、基礎控除4800万円となる。今まで8000万円以下なら非課税であったが、今後は4800万円を超えると相続税が課税される。

また、相続財産1億円であれば、相続税が課税される金額が、現行2000万円(1億円ー基礎控除8000万円)であったものが、今後は5200万円(1億円ー基礎控除4800万円)になる。

同じ税率でも、2000万円×10%=200万円、5200万円×10%=520万円と倍以上になり、さらに、もっと遺産がある方で税率が高ければ相続税額も増えることになる。

上記の例のように、配偶者がいる一次相続であれば配偶者の特例などで当面の相続税は避けられるが、配偶者がいない二次相続の場合、特例がないため、今回の増税(改正)がまともに影響してくる。

この相続税増税に伴い、その対策(相続ビジネス)が活況となっている。

昔からの王道が、現金部分を不動産に変換して相続財産の評価額を減少させるもの。現金の場合、そのままの評価額だが、不動産は評価方法により実際の金額(時価)よりも評価が下がる。現金から不動産に変えるだけで評価が下がり、相続税の対策となる。

この方法が時代の移り変わりにより、少し様変わりした。タワーマンションが効果的であると言われているのがそれである。

マンションの場合、部屋の面積により固定資産税評価額(相続時の評価方法に採用される金額)が決まってくるが、タワーマンションの場合、高層階になると時価は高いため、その差額が相続対策に効果的となる。(さらにマンションは土地評価が小さい)

また、もう一つの方法が借入金を増やす方法である。プラスの財産からマイナスの財産を差し引いた正味資産額が相続税の対象となるため、借金が増えると正味資産が減少する。

ただし、借入金をそのまま現金としておけば、差し引きゼロとなるため、手元に入った現金で先に紹介した不動産への変換を行う。これが、相続対策の賃貸事業(アパート建築など)である。

どちらも不動産の取得であるから、それなりの注意点もある。

不動産取得の場合、1.購入・売却などの諸費用が必要、2.財産を分けづらい(共有は争いの基になりやすい)、3.換金しづらい、など。

賃貸経営は、空き家増加(人口減少)の状況からの空室リスク、賃貸経営の収支(損すれば単純な資産減少、儲かる場合はさらなる相続対策)など。

補足として、この他の相続税改正の内容は、教育資金の非課税制度(現役世代への資金シフト)、小規模宅地特例の拡充(一般の人への配慮)などがある。

相続対策ビジネスが、これからさらに花盛りとなるだろうが、安易に飛びつかず、大きな視点、長期的な視点、本質を見極めることが肝要です。



住宅購入サポート

サブコンテンツ

このページの先頭へ