家計・税金・保険:子供手当てで住宅ローン(09.10.06)

8月の総選挙で民主党が圧勝し、政権公約である「子育て手当」が現実味を帯びてきた。子育て手当とは、子育て支援を目的に子供1人に対して月額2万6千円、年間計31万2千円を中学校卒業まで支給するもの。制度開始初年度の22年度は優遇支給、23年度以降全額支給する、としている。

この子育て手当数人分で住宅ローンの返済に充当することを想定して、住宅の購入を検討する人が増加しているという。確かに、子供二人分を満額受給すれば5万円を超え、住宅ローンの全部とは言わなくても、ある程度は賄えることも考えられるが、そもそもの趣旨としても、このような発想は間違っているのではと思う。

子育て手当とは、子供を持つ世帯を社会全体で支えようというもの。住居費も基本的な生活費であり、この生活費が賄われれば、子供の生活にも影響し、確かに支えているという面もないとは言わないが、住宅購入を促進するものではなく、子育て手当を直接的に住宅ローンの返済に回すという考えに違和感を持つ。

一歩譲って、生活費に使うということはよしとしても、子育て手当だけで住宅ローンの返済が賄いきれるものではないということをどう考えているのだろうか。

まず、子育て手当の支給は中学校卒業までであること。高校の実質無料化まで組み込んだとしても最長18年である。住宅ローンの借入期間が18年よりも短いのであれば、子育て手当による返済も考えられなくないが、それ以上に長い期間の返済であった場合、子育て手当が終了した後の返済はどのようにするのだろうか。

また、子育て手当は自分自身の力で得た収入ではなく、今後の政治・財政状況により打ち切りという自力ではいかんともし難いリスクを持つ。もし、返済の途中で打ち切られた場合、不足する収入をどのようにカバーするのだろうか。

それぞれに、何かしらの対策があって、もしくは、楽観的になれる見通しがあって、気持ちの部分で子育て手当が住宅購入の後押しをするのならば、これ以上言うことはない。しかし、数年先はどのような経済状況になるか分からないのは、一気に不況へとなだれ込んだ昨年秋のリーマン・ショックで明らかである。

これと似たような政治的要素として、景気下支えのための住宅ローン減税がある。これも、住宅ローン減税分を返済に当て込んだ計画を検討する人が増加しているという。子育て手当も住宅ローン減税も、根本的には、生活費や将来の備えとしての余力であると考えること。基本的な収入から、住宅ローンの返済を含めた生活費を考え、将来の備えとして、手当や減税をおまけのように考えられれば安心である。

住宅ローンの返済も子育ても長期に渡るもの。短期的、臨時的な要素を、長期の計画に充当するのは相性が悪い。



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