家計・税金・保険:住宅ローン減税延長と入居時期(08.11.06)

最近、住宅ローン減税延長、しかも、過去最大規模になるとの話を聞き、 年内入居を目指していたが、入居の時期を延ばして新制度で適用を受けたい、 という相談が多くなりました。

もちろん、もともと入居の時期・引渡しなどが 新年であるなら問題ないですが、 問題なのは、年内入居・引渡しの予定だったところを 延ばそうというケースです。 このようなご相談を受けた場合、基本的には現行制度にならざる 負えないのではないかとお答えしております。

ご相談頂く方々のお気持ちは分かるのですが、 不動産購入・建築請負の契約をすでにしているのであれば、 住宅ローン減税の動向により、引渡し期日などの取り交わした約束を 反故にすることはできないと思われるためです。

売主などの相手方が、事情を理解して譲歩してくれれば問題ないですが、 約束どおりにしてくださいという回答であれば、それを崩すことはできません。 (そのくらいいいじゃないかというのは購入者側の勝手です。 約束を反故にすることができてしまうと、反対に何かしらの事情で 相手側からも反故にされることができてしまうという裏返しになります。)

契約の内容を遵守しながら、入居時期の操作でなんとか 新制度の適用にしようと思うと、いろいろな障壁がでてきます。

住宅ローン減税の基本は、入居の時期で判断されます。 不動産の所有権移転や保存の登記は年内だが、 入居の時期が新年であれば、新年の制度で適用されます。

しかし、不動産の所有権移転や保存の登記を受けるにあたり、 代金の支払い義務が生じます。 この代金は住宅ローンを借りて支払うことになり、 住宅ローンを借りる際に結ぶ“金銭消費貸借契約”では 住民票異動後の新住所で行なうことが一般的です。

住民票を異動し新住所で手続きをする理由は、 自宅用の不動産取得ということで税金を減額すること、 不動産登記の名義人の表示を新住所で行なうこと(後々の費用軽減)、 銀行側が自宅用の購入であることを確認することなどです。

※本来、住民票は引越し後に異動するべきもの(規則でも)ですが、 現実的な実務としては、先に異動せざる負えないのが現状です。 (縦割り行政の矛盾と手続き際の都合が優先されてしまうため)

上記別記でも書かせていただいたとおり、 住民票の異動は引越し後というのが前提で、 住宅ローン減税の申請でも住民票の添付で 入居の時期を判断しているのが現状ではないかと思います。

今までは、年が明けるごとに減税幅が縮小していくことから、 新年の入居だが旧年の入居扱いにはできないかという相談がありました。 その際、税務署にそれとなく確認したところ、 書類上よりも実態を優先するとの回答を頂きました。 (住民票の操作だけではダメよ、ということです)

この通りであれば、住民票は年内だが入居は新年ということで 申請すれば新制度での適用になると思われますが、 現状としては住民票の異動の時期で判断されるのでは ないかということもあり、確実なことは言えません。 建前では、住民票の異動=入居済みということですので。

このように税務署の判断次第でどうなるか分からないものであれば、 あまり画策せず、実体のままで動き、 申告するのが良いのではないでしょうか。

ギリギリの時期になる方にとっては、とても残念に思われると思いますが、 今回の件では、大きな金額になる住まいの購入に関わるような 政策や税制を突発で行なう政府・与党に問題があるのではないか。

単純に上乗せするような減税であれば、 今回のような相談もなかったのでしょうが、 年を跨ることで大きな違いが生じるような内容を、 年末も迫って行うのは感心しません。

さらに、過去最大の減税幅にすると表明しておりますが、 年間60万円以上の所得税を納め、今後10年間の残高が6,000万円を 下回らないような住宅ローンを組んで、不動産を購入する人って、 間違いなく富裕層。

一般的な標準家庭(仮に年収600万円、所得税が年20万円程度)では、 最大控除額=所得税の納付額から、年間20万円の減税にしかならず、 10年間でも200万円までにしかならない。 これなら、現行制度と対して変わらず、新制度の恩恵を受けるのは、 年収が1,000万円程度の方からになるのではないか。

住宅ローン減税を対象外だった方が、延長の恩恵を受けて 減税になる方にとっては良かったのですが、 今年で終わることを認識して購入に動いた方は悲しい。 また、現金で購入する人(富裕層だけではなく)、 賃貸生活をする人には何の恩恵もない。

これから購入しようという方は、税制でタイミングを判断するのではなく、 家族や生活の状況から判断すれば、このような悲しいことはなくなります。 (もともと住宅ローン減税は当てにせず計画する)

これは、不動産市況や金利動向でも言えます。 社会環境はおまけであり、主はご購入されるご自身とご家族です。



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