平成23年の基準地価動向(11.09.23)

今年の基準地価動向は「全体的に、経済の冷え込み・震災後の自粛から下落傾向。さらに、震災被害の大きかった地域の下落率は大きい。逆に、防災面での強さを評価されている地域の下落率は低い。」という特徴となりました。

柏市も下落率が大きい結果となりましたが、これは放射線量の数値が大きいということが取り上げられたもの。しかし、現場の感覚では、放射線量を気にされる方は少なく、液状化被害の影響が大きいと感じられます。

9月20日に、2011年地価調査(基準地価)が発表されました。春の公示地価、秋の基準地価の二つが、半年に一度、地価の動向を示しますが、今年の公示地価は震災の影響を加味したものではなく、今回の基準地価が、東日本大震災の影響を反映した最初の地価動向になります。

※基準地価とは、都道府県が毎年7月1日時点の値を調査したもの。土地の収益性や周辺の取引事例などに基づいて1平方メートルあたりの価格を判定する。基本的には公示地価に近い。公示地価は毎年1月1日時点の値。

千葉県内で注目されたのが、液状化被害が大きかった浦安市。同市の平均下落率が県内最大の▲7.1%となったほか、野田市(▲6.4%)、千葉市美浜区(▲5.2%)、柏市(▲4.2%)、市川市(▲3.6%)と、首都圏の下落率上位(ワースト)に千葉県内の各市が名を連ねました。

これは、液状化の被害が大きかった事情によるものと、柏市、野田市は、放射能の線量が比較的高い地域という報道による影響だと思われます。浦安市の場合、液状化の被害が特に大きかった地域を調査困難として除外しました。これは住宅地としての相場が成り立っていない、判定不能ということです。これを加味するとすれば、もっと下落率は高いものとなります。

首都圏全体でも、下落幅が拡大しました。これは、震災による日本経済の冷え込み、先行き不安の影響だと思われます。住宅ローン減税、住宅ローンの金利低下(優遇策含め)などにより、不動産市場も回復傾向にあった動きを、大震災が押し流してしまったもの。

一方、現場で受ける印象が、公的な指標と異なることが多いのも事実で、弊社では、震災直後は、さすがに自粛ムードと様子見、落ち着きがなかったこともあり、依頼は少なかったですが、GW以降、近年にないくらいの依頼を受けております。

周辺の同業者から聞かされる状況をみても、相当数の依頼がきており、需要そのものは減少するどころか増加傾向にあることを感じます。特に、東京西部や神奈川県エリアに所在する同業者からの声は、威勢のよい声が多い。

このように、住宅という実需である限り、ある程度の需要は常に存在し、それが、その時のトレンドによって、流れが変わる。それが、地域間の格差・動向に影響を与えるもので、今年のトレンドは、まさに防災面での強さ。地盤の良さ、災害への強さで、地価動向が左右されています。

今回の基準地価の結果で、柏市の下落率が大きかった。これは放射能の線量によるものと考えられているが、柏市の場合、台地面に住宅地が多く存在することから、現場では、それほど下がった感覚はない。逆に、それだけ下がって買いやすくなったのなら、もっと住まい探し(のお手伝い)が楽になるのではと思う。

さらに、(放射能の線量に大きな違いがない)隣接する松戸市、流山市、我孫子市などの結果は、下落率のワーストランキングに入っていないことから、放射能の線量よりも液状化の方がインパクトが強かった、地価に影響を与えました。

たしかに、今年、依頼を受ける方の傾向として、地盤面を気にされる方は圧倒的に多い。地盤面に不安がある地域にお暮しの方からの依頼が多いのも特徴的。

千葉県の内陸部に位置する東葛エリアの各市(柏市、松戸市、流山市、我孫子市、など)でも、液状化現象による被害を受けた地域はあり、このような地域は不動産市場に大きな影を落としております。

この他にも、帰宅困難、親族の近居、高層マンションの弱点など、震災による住まい探しのトレンドに、今回の大震災は大きな影響を与えました。この影響がいつまで続くのか、時間の経過とともに、また、トレンドも変わるのだろうな、という過去の経験も頭によぎります。



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